8月 12, 2010

第40回 発表します!「国立ファームグループの企業理念とミッション」

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 1:59 pm


“ドゥ→シィー→プラン”の国立ファームは設立から4年を無駄に“ドゥ”してきましたが、やっと検証して計画を立ててみました。

まずは≪企業理念≫から。
「農業がカッコ良いと思われる文化を創る」
○農業はお客様を幸せにすることのできる職業です。
○農業は無から有を生み出すクリエ
イティブな職業です。
○農業は自然と共生できる職業です。
○農業は人に媚びない職業です。
○農業は生命を育む職業です。
こんなにヤリガイがあって楽しい職業が、小学生のなりたい職業ランキングの上位に上がって来ないのは、今の大人たちの価値観に偏りがあるからです。偏りを矯正するよりも、今の価値観に合った農業という産業を新たに創り上げることが、農業がカッコ良いという文化を創り上げる最良の方法と考えました。今の価値観とは「多くの人が集まり、安定して儲かる職業が良い職業」です。
  ならば、簡単でしょう。家族経営で専ら生産を担う農業から、大企業法人で生産・加工・サービス・販売を組織的に統括して行う農業に変えてしまうだけです。農業という業態の垣根を無理やりぶっ壊せば良いんです。
 そんなことは役人やJAさんが考えて実行していると言う人はこの雑誌を読んでいる筈がありません。だって彼らは農業を守りたいのではなく、経済界の中で弱者であり続ける生産に専従した農家の“おもり”を続けたいという本音を皆さんご存じですよね。なので計算できる農業生産者を経営の中心にした民間企業グループが日本の農業を改革しなければならないのです。

≪4年で多少形になったこと≫
○全国及び都内の篤農家との連携に基づいた新たな流通づくり
○独自の青果販売店舗運営(農家の台所)と青果の付加価値づくり
○独自の農業生産法人運営(山形ガールズ農場)と生産物の付加価値づくり

 ≪ミッション第一ステップ≫
(目標期日や目標年商は掲げません!出来るまで続けるからです。)
○篤農家が平等に利用できる「国立ファーム」ブランドの確立
○オリジナル農産物の開発・生産・宣伝・販売
○オリジナル農産物加工品の開発・生産・宣伝・販売
○技術指導を篤農家と提携した農業生産法人を全国に設立・運営(例:埼玉・金井栄農場、福島・鈴木光一農場、千葉・斎藤完一農場)
○農業生産法人の業務拡大(観光農園・農夫付き農園・クラインガルテン・加工工場の運営)
○宅配・高級スーパー卸しへの参入
○独自の販売店を多店舗化(レストラン農家の台所、惣菜屋農家の台所)
○「国立ファームアワード」(篤農家の表彰式)を毎年開催
僕の皮算用では、ここまでに5年か6年で、この時点で黒字化しているので引退して就農する予定です。

 ≪ミッション第二ステップ≫
(負け犬・落ちこぼれの社員から、即戦力の社員が入社して来る予定)
○全国47都道府県に篤農家と提携した農業生産法人を設立
○農業生産法人の業務拡大(瞬間冷凍工場・畜産牧場・海産物の養殖工場の運営)
○全国JAの農業施設と物流を買収 (JAさん、半分は妄想です!ごめんなさい!)
○農業生産法人のエネルギー自給化
○“メイド・バイ・トクノウカ”ブランドを海外で確立するための輸出販売
○“メイド・バイ・トクノウカ”による海外農場での生産と逆輸入
(スイマセン!最後は農業経営者さんのメイド・バイ・ジャパニーズをパクらせて頂きました。)

2010年8月号より転載

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7月 6, 2010

第39回“農家の台所”10店舗出店計画に隠された急がば回れ計画

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 12:37 am

 最近、土いじりへの意欲が全く湧かない就農希望者の高橋がなりです。理由は明白で、楽しくない分野の農業に掛りっきりになっているからです。僕にとって楽しい分野の農業とは、自分が苦労・工夫をして創り上げた“作品”でお客様を喜ばせる“ものづくり”分野のことで、そこから発生する流通・宣伝・販売といった分野の農業は、自分の作品ならまだ我慢できますが、人様の作品となると主役になれない役者のような仕事になってしまいます。

 ならばなおさら、休みの日ぐらい土いじりをすれば良いと思われるでしょうが、それが不思議に出来ないんです。畑に触れ合ってしまうと、楽しくない分野の農業を頭の中で考え始めてしまうからです。ジャガイモの土寄せをしていると「商品部に指示した新種のジャガイモの仕入先は見付かったんだろうか?」大根の実を収穫していると「4店舗ある農家の台所のサラダバーで指示通りに飾り付けされて、“大根の種を食べたことはありますか?”から始まる語りは出来ているのだろうか?」などと管理職の自分が出て来てしまいます。

 こう言うと、「だったらウダウダ言ってねぇで早く百姓になれよ!」とおっしゃるんでしょうが、そんな近道は僕を本当の目的地に導いてくれません。40代で(もう50代に突入してしまいましたが)本格的に農業を始めて、最終ゴールはカッコ良い篤農家です。カッコ良いというのは、自分の作品が供給よりも絶えず需要が多く、引く手あまたの生産者であり、その技術を学ぶ弟子を多く抱え、その弟子たちの作品も同じように引く手あまたになることです。このゴールに辿り着くためには宣伝・物流・販売を担う独自の応援団が必要になります。特に、将来僕が作る、自分にしか創れない新たな野菜の“需要”を産み育ててくれる新たな販売方法には力が入ります。
農業がカッコ悪くなった理由は、結果は全て数字で評価されてしまう経営者であるべき生産者が楽しい生産という仕事だけしかしないで、苦しい販売という仕事を放棄した揚句に、自分たちは肉体的に一番キツイ生産という嫌な仕事をさせられていると、泣き言を言ったからだ!というのが僕の持論なので販売にはこだわります。

農業生産法人国立ファーム(株)は山形ガールズ農場の菜穂子に任せ、国立ファーム(有)の代表として一番のミッションはやはり“農家の台所”の維持・拡大になります。ただし、そこでは野菜を効率良く販売することは出来ず、月商2000万円の店舗で青果の仕入れは400万円になってしまいます。しかし野菜の差別化や嗜好品としての楽しい野菜を知ってもらえる消費者教育を通して新たな野菜需要を喚起できます。更には“農家の台所”の野菜は美味しいという評価を頂くことによる“国立ファーム”野菜のブランド化が非常に重要な財産になることでしょう。

現在“農家の台所”は国立・恵比寿・新宿3丁目店の3店舗に、“ごはんや農家の台所”立川高島屋店という御膳形式レストランの4店舗で営業しています。当初赤字続きだった各店舗の経営もおかげさまで全店舗黒字経営にすることが出来ましたので、今後の目標はまず10店舗にすることですが、現在は人材の育成中です。人材がいないのに無理やり出店して野菜好きのお客様に散々迷惑をかけてしまったからです。野菜が好きで、農家さんが好きで、お客さんを喜ばせたいホスピタリティで溢れ、なおかつ料理長や店長のスキルを持った人材を育てるのには時間と愛情と情熱が沢山必要になります。農業研修を通して農家さんからも愛情や情熱を頂いていますが、新人だと3年間は時間が必要です。一般の飲食チェーンだと店舗の数だけ店長がいるのでしょうが、農家の台所では店長と料理長の数だけ店舗を出店出来ると考えています。という訳で、好きでもない飲食経営を本気でしていますが、これも日本一幸せな篤農家になるための道です。

2009年7月号より転載

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6月 1, 2010

第38回 新卒採用は定植というよりは、新種交配に近い仕事です!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 1:29 pm

 

浅川副編集長の出版記念パーティーに招待されて行って来ました。ヤバいっす…。以前このコラムで悪口を言ってしまった木内博一さんと坂上隆さんもいらっしゃいました。腹を括って真っ先にお詫びしに行きますと、お2人とも笑顔で、気になさらず快くお許し下さいました。よせばいいのにイイ気になって、木内さんには、「僕が指摘をしたらコラムの内容が急にレベルアップしたじゃないですか!野菜を売るために魚から始めて信用を得るなんてさすがプロフェッショナル経営者ですね!出し惜しみしてたんじゃないですか?」と、坂上さんには、「A-1グランプリでは大敗しましたが、どっちが優秀な農業経営者か、3年後の売上高で勝負しましょう!」と言わなくて良い事を言ってしまいましたが、苦笑いで、お許しいただけたのか相手にされなかったのか、その場では怒られませんでしたが、数々の失礼をお許しください。悪気はないんです。僕の担当である農業界のドンキホーテを演じているだけなんです。

 本題に入ります。3月29日に入社式があり、14名の新卒新入社員が国立ファームグループに入社しました。人件費一人年間300万円で計算すると新卒だけで年間4200万円の粗利を上げなければ赤字になるというざっくりした数字になります。今の国立ファームにとっては大変な大金ですが、投資としては確実に利益の出る歩の良い投資だと考えています。考えてはいますが、2週間の新人研修で2名が辞めて、配属2日目で1名が辞めて、早くも11名になってしまったんです。毎年、入社式の挨拶で「3年間は辞めるな!どんなに出来が悪くても3年間は面倒をみる!入社1年目は富士の樹海の中を歩いているんだよ!3年経てば3合目近くまで登れる!そうすれば下界も見下ろせるし、山頂も見えてくる。その時点でこの山が気に入らなければ下山したら良い!それまでの努力は足腰を鍛えることになり他の山を登るときにも無駄にはならない!」と力説しているのに……。

 僕は24歳のテレビ制作時代からアルバイトの採用・教育を担当してきましたので、過去に500~600人の人材を自分の判断で採用しています。その経験から今の国立ファームの成熟度・知名度・待遇・職種・上司や先輩のレベルと新卒新入社員の就職に対する価値観を想定すると、3年後には3割前後が残っていると推測できます。毎年全員が残ってくれるのではないかと期待しても残念ながらこれが僕の実力のようです。
ということは、14人の採用で3年後には4人が残っているという計算になります。この4人が会社に利益を与えてくれる人財になる訳ですが、さらに10年後を考えると経営に参画してくれる幹部に育つのは良くて1人でしょう。創業期の会社としては、新卒新入社員を採用する第一義は未来の幹部を育てるためです。会社経営者の立場からは、時間的損失や信用的損失を考慮すると、辞める社員には出来るだけ早く辞めて頂いた方が損失は少なくなるのですが、人の情はそう簡単に割り切れるものではないので厄介です。
 
こんな話をすると、だから農業は家族経営が良いのだ!だとか、即戦力の中途採用が合理的だと言われてしまいますが、色々なマイナスはあっても、成長し続ける農業系企業になるためには新卒は絶対不可欠な存在なのです。大きなバックボーンが無い限り、今の農業に勝ち組中途採用社員は来てくれません。サラリーマンとはそういう生き物なんです。時間はかかりますが、新卒と社長を交配して優性遺伝した新種の種を採る作業を毎年繰り返すしかないのです。そして10年後に生まれた新種から種採りするかのように、生き残った1人の信頼できる新卒出身幹部に100人の部下を任せれば、新卒採用は歩の良い投資になるのです。

5月 1, 2010

第37回「農夫付き農園の農場主になりませんか?」の付加価値が分かるかな!?

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 4:06 pm

 “国立BBQ(バーベキュー)ファーム”がいよいよ3月から始動しました。3年前、農地を買う資格が無く、仕方なく宅地を買って農地にした約440坪を持て余していたんです。1年間の農業研修に行かせた4人の新入社員が戻って来たときのために用意した農地でした。都市農業として付加価値のある施設栽培農業を模索する予定でしたが、全員に逃げられてしまい固定資産税の年100万円を浪費するだけの無駄な資産として残っていました。
 
さあ、ここから発想の転換をするチャンスが生まれるんですね。宅地を買わなければ良かった!という発想は僕にはありません。宅地を買って良かった!に無理やり後付けすれば良いだけなんです。「宅地だから土地代や税金が高い」というマイナスと「宅地だから農地以外にも利用できる」というプラスを掛け合わせるのです。
 
「僕が自分の農場にしたら楽しいので社長業をしなくなる」「社員に生産させても、指導できる人材がいないので利益を出せない」「ならば、素人に農地として貸そう」「農地として貸したら税金代も出ない」「ならば、アパートを建てるか?」「それじゃ、国立ファームを創った意味が無いだろ!」「そうか、どこにでもある農地をレンタルするから第一次産業の匂いがして、買い叩かれるんだな。第三次産業であるサービス業にして農地が付加価値として付いてくるというニュアンスの商品にすれば固定資産税を払っても利益が出るかも知れないぞ!」となった訳です。
 
キャッチフレーズは「野菜作りだけじゃ面白くない!自分の畑で収穫したての野菜を使ってバーベキューパーティを開きませんか?」となり、「農夫付き農園の農園主募集!国立BBQファーム」という告知を農家の台所とホームページで打ち出しました。
 
利用料は6坪の占有畑で基本料金が月額1万円です。それにオプションとして、農夫に任せっきり料金が月額3000円、専用駐車場代が月額3000円、バーベキュー場の貸し切り料金が1日5000円、薪代が一束500円、自由区画用の種・苗代など追加料金を含めると一区画のお客様で年間平均利用額は20万円弱、30区画で600万円弱を想定しています。
 
ファーム最大の特徴は、農夫を務める国立ファームの社員が農場主に対して気持ち良いサービスをすることが業務であるということを理解していることです。当然、栽培方法などを指導する業務も含まれていますが、それは先生としてではなくインストラクターというサービス要員としての仕事になります。ちょうどタイミング良くTVディレクター出身でワタミファームさんに4年いた人材が入ってきてくれたので、ベストな農夫を確保できました。
 
レンタル農園歴の長い自分が一番こだわったことは、農園主に義務感を持たせないことです。土いじりや野菜作りは、行きたい時に行けば楽しい事ですが、行きたくない時に行かなければならないと考えただけで単なる重労働になってしまいます。
 
今日やらなければならない作業があるけれど、行きたくない場合は、お願いするのではなく、農夫に指示を出せば済むような環境を創り上げれば多くの人々が参加し易くなりますし、長続きするのではないでしょうか。農作業に興味のある皆さん全員に一律の作業を与えるのではなく、0から10までの作業量の中から好きな作業量を自由に選べれば、良い多くの人々が農に触れ合って頂けるのです。

初回10区画の募集に、20組以上の応募があり、選考で13組15区画が埋まりました。初代農園主様のご意見・ご要望を伺いながら施設やシステムを改良します。完成したら、また報告させて頂きます。

4月 1, 2010

第36回 商品のネーミングは客観性で考えてください。

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 2:27 pm

 「国立(くにたち)ファーム」という社名の由来をご説明します。「東京都国立市に会社があるからだろう」と思われることでしょうが、もっと深~い意図があるんです。僕自身は隣町の立川市というところに住んでいます。競輪場、場外馬券場や風俗店があって…じゃなかった!畑が沢山残っている楽しい街です。対して国立市は一橋大学を中心とした文教都市で高級住宅街のイメージが強いブランド都市なんです。ブランドは利用するものではなく、自分で創るものという持論の僕は当然、国立には住みません。

 では何故わざわざ国立に会社を設立したかと言いますと、「国立ファーム」という社名にしたかったからです!社名を知らないお客様が読まれると「こくりつファーム」と間違われることを想像したからです。非常にセコイ考え方ですが、将来にスーパーで大根が売られるようになったときに、大根の葉に巻かれているテープを見て、「こくりつファームの大根なら国が保証しているようなものだから安心よね!」と間違って買ってもらえる売り上げ増を期待したからです。間違って買って頂いても良いのです!重要なのはその大根が、
そのお客さまにとって満足されるものであること!と思っています。何
で自分からセコイ話をバラシて自慢してんだよ!とお思いの皆さま、ここからイイ話をしますよ!

 農業生産者の一つの特徴として“主観”で生きている方が多いのではないでしょうか。農業に関係なく“ものづくり”に多い欠点と言っても良いでしょう。欠点と言い切ってしまうと語弊がありますが、ことビジネスに於いては欠点だと言い切らせて頂きます。要はバランスの問題で“ものづくり”に於いては「客はこの作品を求めているとオレは確信している」という主観の“こだわり”が非常に重要になりますが、“商売人”は「お客様はこの商品を求められている」という客観が重要になります。しかし、客観が強すぎると、今売れている商品が偏重され面白みがない売り場になり、潜在需要や需要の変化に取り残されてしまいます。そこで必要になる商品が、“ものづくり”の「オレは確信している」といった主観から生まれた商品です。

 ですが、それでは“ものづくり”で食べて行ける人はほんの一部になってしまいます。だから“ものづくり”の多くは“職人”になり、“商売人”の言いなりになって今売れている商品を安く作ることだけが付加価
値の“ものづくり”に成り下がって行ったのです。

 “ものづくり”が“ものづくり”であり続けるために客観性を兼ね備えて、商売も出来るようになって欲しいということを言いたいのです。
そのために、独自の商品を開発して独自のネーミングを付けてください。主観で生きているから、高橋さんが農業を始めると“高橋農場”になり、東京で始めると“東京ファーム”になり、自分が農業に夢見て始めると“ドリームファーム”になるんでしょうね。社名は兎も角、商品名だけでも消費者目線になり、消費者に伝えたい意図を持って独自のネーミングを付けてあげて下さい。

 僕がネーミングの際に一番心がけているのは、“覚えやすさ”です。参考までに僕が付けた一部の商品名を紹介させて頂き終わりにします
「農家の台所」は野菜のレストランとしてまだまだ時代に先行していたので、王道のような名前。
「山形ガールズ農場」は反対に農業ブームの後追いになった事業なので既存の農場との差別化。
「ソルトリーフ」は知らない野菜なので特徴を分かり易く。
「山本勝三さんのテキトー栽培赤カブの甘酢漬け」は有機栽培と同様の栽培なのですが有機と言えないので、マイナスを犯すことによるインパクトを狙いました(商品には説明文がついています)

3月 1, 2010

第35回 邪道なんでしょうが,その邪道が農業に足りないんです!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 5:51 pm

 

“山形ガールズ農場”って聞いてまず最初に何を感じますか。僕なら「なんて“アザトイ”ネーミングなんだろう」、と思います。どうせ可愛くもない娘たちが、遊びの農業モドキをして、メディアに取り上げられて浮かれているんだろ!って思いますよね。昨年までは正解だったかもしれません。しかし、僅か1年で美人ではない娘3人は急激に生産者として成長していますし、今年の4月には新卒の新入女子社員が4名入社する予定です。単にアザトイだけでなく、農業生産法人として確実に実力を付ける努力をしています。
 
 3年前に4Hクラブの全国大会で講演をさせていただきました。その時に山形県の代表として来ていた菜穂子が僕の口車に乗せられてしまい、一緒に戦いたいと言って国立ファームの契約社員として雇われ、一人山形支社長を務めていました。それから2年は付かず離れずの関係が続きましたが、昨年に農業生産法人国立ファーム株式会社の代表取締役として社長に就任させたんです。
 
  菜穂子は山形の兼業農家の三女として育ち、一度は公務員になろうと横浜の大学に進学・卒業しますが、山形から離れて初めて山形や農業の素晴らしさを再確認して、山形の農業を盛り上げようと実家に帰り専業農家になった現在28歳で、身長170㎝ですが世間知らずの小娘です。
 
 若い女子の専業農家であること以外は取り立てて特徴のない菜穂子に会社設立にあたって宿題を出しました。「付加価値のある農場」が「付加価値のある農産物を創る」です。菜穂子の回答は、男尊女卑の残る農業界で女子だけの社員で経営を成功させ、女子の農業進出を促進させるために、ガールズ農場と名付けて、女子だから出来る農産物を生産する。そして国立ファームのコネを使って、さらには女子というおじさんに可愛がられる立場を利用し、福島の古川勝幸さんに弟子入りして漢方米の生産方法を、宮崎の川崎徹さんに弟子入りしてミニトマトのトロ箱生産方法を伝授されて来ました。
 
 結果として、漢方米は1㎏1000円、ミニトマトは1㎏1200円という高価格な仕入価格でも販売できる特別な商品になり、1年目から山形ガールズ農場は黒字経営になりそうです。
 
 組織で勤めた経験の無い菜穂子がいきなり農業経験のない都会育ちの女子を二人雇って農業生産法人の経営をすることは無謀なことですし、一人も脱落しなかったことは奇跡的なことだと思っています。これは一重に菜穂子のご両親が二人の親代わりになって親身に面倒を見て下さったお陰でしょう。そしてもう一つ重要な要因がメディアの影響だと考えます。まだ地方メディアがメインですが、分かりやすい変わった農場として地元のテレビ・ラジオ・新聞で紹介して頂くことが出来ました。

 山形では菜穂子は有名人だそうです。じきに全国に広がることが予想出来るので、一日でも早く足腰を鍛えておくように指示していますが、社員の足腰を鍛えるためにも注目されていれば頑張れるし、仲間が増えるキッカケにもなりますので、メディアは有効です。

 菜穂子の最終的野望はガールズ農場を「農家の嫁の“虎の穴”」にすることだそうです。元気な農家には必ず元気な嫁がいる、ならば元気な農家の嫁を育てることが元気な農業にする方法論になるのではないか、と考えているようです。ガールズ農場を生産・加工・宣伝・販売を総合的にできる生産法人として成功させることで、そこで育った女子の社員たちが全国の農家から羨望される農家の嫁候補になることを夢見ています。
どうですか、独身の息子さんがいるお父さん、山形ガールズ農場を応援したくなりませんか?

2月 1, 2010

第34回 社員の心に蒔いた種がポツポツ発芽し始めた4年目でした。

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 11:48 pm

 10年程前のAV会社時代、会社訪問に東大生が3人で来たことがありました。話をしていると非常にバランスの良い学生で、とても東大を出て新卒でAV会社に入ろうという変わり者には見えないので、「君たちは自分の箔付けに来たね!」と問い質したところ、「バレちゃいましたか。今後の入社試験面接で訪問した企業を質問されるので、ウケ狙いで御社に来ました。」と悪気もなく白状するんです。僕は怒るどころか感心し切りです。「やっぱり東大はスゲーや!」目標を定め、傾向を探り、方法論を導き出してそのために些細な要因であっても貪欲に積み重ねる姿勢は、もう立派に闘う社会人そのものです。面接官にただ頭の良い真面目な学生ではなく、幅広い見識と知的好奇心が旺盛であることをアピールしたかったのでしょう。

 何故こんな昔の話をしたかと言いますと、国立ファームに来る社員は全員が準備不足なんです。働く目的は何なのか?もっと言えば、生きる目的は何なのか?すらも考えていません。当然、職場という戦場での生き残り方や勝ち方も想像していませんから、武器も持たずにサンダル履きで行き当たりばったりで戦場に入り込んできます。本来ならば士官学校とまでは望みませんが、兵学校で闘うための姿勢という種を蒔かれて、3・4年かけて発芽してから定植(入社)させたいのですが、今の兵学校(大学)ではその教育をしていないようです。さらに言わせてもらうと、「親の顔が見てみたい」と思うような足腰の弱い軟弱な子供を育てている親が多いようです。

 兵隊がいないから、士官がいないから、戦争が出来ないと言ってしまったら零細企業は成長しません。
なので国立ファームの創業期は兵隊作りの4年間でした。僕は社員たちを“虫けら”と呼びます。本能だけで生きている人間は虫けらと同じです。社員たちを虫けらから人間にするために無数の種を虫けらの心に蒔いて来ました。そして踏み固めて霜に当てて、除草剤や土壌消毒剤を使わず、たまに日光や水を与えて育ててきました。やっと三分の一の社員から小さな双葉が発芽してきて、虫けらから人間に、そして兵力に変化しつつあります。
“種”とは、“姿勢”のことです。“種を植える”とは“教育”のことです。姿勢という種は簡単に発芽しませんので、教育は時間と忍耐が必要になります。種を植えた土(人)がある一定の条件にならないと発芽しないからです。僕が埋め込んだ種という言葉に、実体験から感じた感情が重なることが重要なようです。

先日、新卒2年目の取引先のスーパーで青果の売り子をしている女の子から報告を受けました。寒じめホウレンソウの試食を出したお客様から「試食はいいわ。先日あなたが勧めてくれた小松菜が美味しかったから、あなたが勧めるホウレンソウなら戴くわ。」と言われて値段も聞かずに買って行かれたそうです。そして彼女から「信用されることの喜びを知りました。その信用を裏切りたくないので、高橋さんの言う“結果に拘れ”という意味が分かりました。これからは仕入課にドンドン厳しい意見を言って行きます。」……パッと発芽した瞬間を感じました。彼女の名前は10年後の社長候補リストに載せておきます。

今年は虫けらから脱却した兵隊を士官に昇格させるための準備をする年になりそうです。目的をしっかり見定めた兵隊は躊躇なく特攻して行きます。躊躇のない兵隊に敵の玉は当たりません。生き残る兵隊に経験を積ませ、僕が築いてきた兵法を教え込んだ士官が生まれてきたときの国立ファームはきっと皆さま生産者にとって最強の親衛隊になります。

年明けですので、国立ファームに期待していただけるような強気な発言をさせていただきました。

 

2009年2月号より転載

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1月 1, 2010

第33回 出来ない理由を見つけて、安心しているんだよ!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 3:54 pm


 僕が毎日のように弟子(社員)達に叱りながら発している言葉のひとつに「出来ない理由を見つけて、安心しているんだよ!」があります。出来ない理由がないなら、そんな仕事をしても二束三文の評価しか得られません。出来ない要因をひとつひとつ潰しながら、出来たときに初めて他人様は評価してくれるんですから。

 人として生まれてきた以上は、自分しかできない仕事がしたいはずじゃないのかな?その発想があれば、出来ない要因が見つかったときにニコッと笑うはずなんですよね。だってライバルと差をつけるチャンスなんですもん。マラソンで30km地点から始まる上り坂を利用して、自分も苦しいんだけれども集団から抜け出すためにスパートをかけるようなものですね。

 日本が裕福になって、普通に生きていれば幸せに長生き出来る世の中になり、集団の中にいることを人生の目標にする“負けない人生を目指している人”が増えてしまったようです。その人たちの最大の特徴は集団のペースが遅くなることを望んでいます。みんながペースを上げることの出来ない理由があって、みんなで遅く走れば楽をしても負けないので、ペースを上げようとする人間を非難する習性があります。

100万㎞を所持金10億円で走ると言って集団で走り出したのが「国立ファーム」です。走り出したばかりの10㎞地点で足が痛くなってきた人がいます。丁度そのとき行く手の橋が工事で通行止めになっていました。それを理由に辞めていった社員がいます。その人たちが“負けない人生……”の人です。一度決めたことなのに「みんなが出来ない理由」を見つければ継続しなくて良いと考える人たちなのです。

“勝つ人生を目指している人”は足が痛い上に遠回りをさせられるのかよ!と考えます。“勝つ人生”の人は、出来そうもない理由は自分に対する負荷でしかないので、みんなが出来なかったとしても自分が出来なければ自分が無能なだけで、相対的な評価なんか関係なく自分が出来るかできないかという絶対的な自分に対する自分の評価しか興味が無いんです。“負けない人生”の人は言葉の前に“他人に”が付いて、“勝つ人生”の人は前に“自分に”が付いているのです。

 実は、僕が農業にやってきた理由はここにあります。農業生産者の多くの人が“負けない人生を目指している人”たちに見えるのです。競争社会で生きてきた僕にはとても大きな違和感があるのです。勿論、どんな業界でも“勝つ人生”タイプしか
いないということはありませんし、どの業界でも嫉妬から“勝つ人生”は“負けない人生”に陰口を叩かれています。しかしその業界をリードするのは“勝つ人生”側の人であって、陰口を叩いている“負けない人生”側ではありません。資本主義経済の弱者である農業を守るために必要悪として、農業政策は弱音を吐いて陰口を言っている側を保護するために税金を使っています。だから農業は“負けない人生”がリードしているように見えてしまうのです。

 “勝つ人生”がリードする他業界と“負けない人生”がリードする農業界、若者が見て後者をカッコ良いと思うはずがありません。全農さんが応援しているカーリングの「チーム青森」の選手は年収数百万円だと思います。数億円のプロ野球選手とは比較になりません。ですが「あたしらはマイナースポーツの貧乏選手なんだから、みんなで補助してよ!」とは言っていません。金にはなりませんが勝つために努力をしているはずです。そんな彼女らは少年少女から見て、イチロー選手や松井秀喜選手に負けていないヒロインです。
農業が“勝つ人生を目指す人”の業界になって、拝金主義者でない「ものづくり」が日本の先頭を走ってリードしていることを願っています。

2009年1月号より転載

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12月 2, 2009

第32回 雑誌名が“農業経営者”だから正解なんでしょうけど・・・

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 8:52 pm

「和郷園」さんや「さかうえ」さんは実績もありますし、成長する優良企業で農産物生産・流通業界の勝ち組です。お二方に相反して農業に参入して全く結果を出せない負け犬企業の代表格が「国立ファーム」だということは百も承知です。
負け犬である今だからこそ言わせてください。今なら負け犬の遠吠えとして聞き流していただけると思いますので。

木内博一さんと坂上隆さんのコラムは面白くありません。お二人の講釈を読んでいると、いかに農業界が産業として遅れているのかが丸見えになってしまいます。ビジネスの基本である足し算引き算を解説しているだけなんです。1+2-1は2だと解説して胸を張っているトップ経営者がいるから農業がカッコ良くならないんですよ。もちろん生産者というビジネスの“いろは”も勉強していない自営業者がたくさんいるという現実が根源なんですけれども。

トップランナーの経営者がITを利用するとか、マーケティングするとかを解説しなければならないほど「農業経営者」の読者は偏差値が低いのでしょうか?そんな初級編よりも、木内氏に伺った牛蒡を短くカットしたらバカ売れした、というような事例のほうが、コロンブスの卵のようで楽しかったです。(木内さん、その節はお世話になりました。)

雑誌名が「農業経営者」なのでいたし方ないのでしょうが、農業ビジネスのヒントが欲しいのであれば、「プレジデント」や「日経ビジネス」「ダイヤモンド」を購読されたほうが有効なネタは沢山転がっていますよ。(きっとお二方も購読されていると思います。)

昆編集長に「営業妨害するな!」と言われてしまいますので、お勧めのコラムの話もします。ダントツに浅野のジジイが面白いですね!実は国立ファームは創業当時に非礼をしてしまい出入り禁止になっている生産者のお一人なんです。「脳業発想力」を読ませていただくと、土下座してでもお付き合いを申し込みたいクリエイターさんです。僕の持論は「肉体労働者からクリエイターに変われば農業の人気業種偏差値は45から75に上がる」です。だから皆さん、ジジイが死ぬ前に、その発想力を学ばしていただきましょうよ。「見せる花が売れねぇなら、食わせる花を作りゃいいんだよ!」ってとても百姓のジジイとは思えない発想力ですよね。

今回、お二方の批判をさせて頂いた真意を言わせていただきますと、お二方の「効率良く儲かる農業の仕組み作り」という姿勢が当たり前でツマラナイからです。経営者としてお力のある方々だからこそ、浅野のジジイの爪の垢を煎じて飲んで、「農業が面白い」というエキスを取り入れていただききたいのです。

「儲かる農業」というキャッチフレーズでは、優秀な若者は農業に魅力を感じてくれません。優秀な若者が入って来なければ農業に未来はありませんよね。単に儲けたいのなら工業・商業・金融業に行っちゃいます。お二方の会社が年商が200億円になっても、「奇跡のりんご」木村秋則さんの新規就農者を増やす影響力には及ばないでしょう。

木内さんが前々回に言われた、「ブランドはいらない」は、現状の農家を守るためには正解かもしれません。97%の農家は少しでも裕福な生活を送るために生産に努力する農家であるべきなのかもしれません。しかし未来の農家のためにも3%のスター農家を育成することが大切になるのです。
だから効率の悪いビジネスであるとわかっていても、優秀な経営者が手助けして、効率の悪い商品を作りたがるクリエイターを応援しましょうよ。3%のスター選手がいるから大リーグビジネスは成り立つんです。3%のスター生産者のためにモノづくり以外のところに膨大な時間と資金を使って下さいよ!

2009年12月号より転載

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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11月 1, 2009

第31回 無責任な社員を必ず改心させ、皆様のお役に立ちます!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 11:55 pm


今回は国立ファームの“恥部”を紹介させていただきます。

赤の他人が一つの大きな目標に向かってチームを組むことが会社創りです。ですが、各部署や各個人にはそれぞれに大きな目標のための小さなミッションが与えられます。そこでそれぞれの利害関係が絡み合い、本来の目標とはかけ離れた問題が多発するのが会社という組織の必然のようです。それを抑止するのが、それぞれの責任感と責任感から生まれるチームワークだと思います。

平均社員歴が1年とちょっと、最長の社員で3年の国立ファームは残念ながら未だ社員やリーダーの責任感やチームワークが構築されていません。初期の社員が総崩れになってしまった僕の人事ミスが大きく影響しています。

毎日のように事故が多発しているダメ会社なんです。多くのミスは野球に例えると「お見合い」です。センターとライトとセカンドが凡フライを譲り合ってポテンヒットになったのならまだ許せますが、バッターが打った瞬間にそれぞれの選手が「オレの球じゃない。誰かが捕れ!」と言い合っているんです。
当然カバーに行こうとする選手なんて皆無です。ベンチから監督である僕の怒鳴り声が空しく響いているだけです。そして倒産という相手に、また無駄な1点が献上されるのです。

今回はその腐った組織の典型的なエラーが続出する事件が起きました。名付けて“国産干し葡萄事件”です。

国立ファームを大きな部署で分けると商品の流れは、生産部・外部の契約農家→商品部→営業部→集出荷センター→飲食事業部・外部の卸先となります。事の発端は、商品部加工課の社員(新卒入社2年目)が担当した巨峰の干し葡萄を○○kg仕入れたのですが、賞味期限が1ヶ月を切った時点で、○○kgが倉庫に在庫として残っていることが発覚したことからです。それを知った商品部部長は、11ヶ月で○○kgしか売れなかった商品は1ヶ月ではもう売れないと判断して、営業部長に叩き売り出来ないか相談します。営業部長は、仕入れ値100g○○円を○○円で卸すので、農家の台所3店舗で引き取って欲しい、と飲食事業部長に相談します。快諾され、農家の台所に納品された商品は店長判断により、店頭で100g○○円で叩き売られました。

僕がこれを知ったのは、店舗業務日報の物販欄で「お勧めしたお客様が試食され、大変美味しいと2kg○○円でお買い求め頂きました。」と、さも自分の手柄のように書かれていた報告を読んだからです。
ね!凄い無責任!凄い無関心!でしょ!一人の平社員の怠慢・無責任から始まった各責任者の無責任ぶり。

「より良い農産物を生産して、適正価格で販売できるような仕組みを創りあげることにより、生産者がプライドを持つ。それが日本の農業を活性化する最良の方法である。」という僕の持論を毎日のように聞かされている連中なんですよ。
ちなみに、この仕入れをした社員には、売れ残ったことではなく、賞味期限が近づいていることを報告しない無責任さを叱ったところ、辞表を書いて、引き止める上司の助言を聞かず、辞めて行きました。まぁ、僕を筆頭とする上司がこれだけアホなら平社員がアホなのは、これも必然なんでしょう。

この後、僕が指示した売り方は、農家の台所にあるサラダバーを利用する方法です。ここで試食をして頂くために○○kgを利用して、残りの○○kgは賞味期限切れ間近の特価100g○○円で販売して売り切りました。そういう売り方をしなければ、次回は定価○○円を販売できなくなりますからね。

すいません。今回はこの事件を僕と社員たちが忘れないように、叱責と愚痴に利用させて頂きました。

2009年11月号より転載

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