7月 1, 2009

第27回 ブランドはあと2年で創りあげる!そして需要を喚起して値を吊り上げる!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 12:00 am

前回・前々回の続きでA1グランプリのプレゼンです。お客様に野菜の一番美味しい“旬”を理解していただくことで安定供給されない商品への魅力を感じていただく、そして野菜を産地や生産組合ではなく生産者個人の名前で区別していただく。そのために個人生産者には芸術品のような野菜を生産してもらう。“芸術品”とは感動・喜び・衝撃・爆笑・愛といった触れ合った人の心を揺さぶることの出来る“作品”のことです。だから食料としてではなく、嗜好品としての扱いを受けるべきなんですよ。生きるために食べる野菜ではなく、楽しむために食べる野菜が嗜好品だという定義です。

「農家の台所」では、この嗜好品を売るために絶対不可欠な“語り部”を育てています。今流行りの“野菜ソムリエ”さんとの違いは、生産者個々データの質と量です。そのために語り部は研修として生産者のお手伝いを毎週することで生産者と触れ合います。
残念ながら現在「国立ファーム」が仕入れ販売している農産物の価格は1.2倍から2倍です。それはまだまだ嗜好品としての野菜を求める需要を喚起できていないからです。

今は語り部が生産者を語れる舞台をコツコツと増やしている最中です。
「農家の台所」を中心に高級スーパーさんやデパ地下で野菜や加工品・惣菜を販売する売り場をお借りして語っています。この語りから「国立ファーム」ブランドを構築して販売店舗と量を徐々に増やし、嗜好品としての野菜の需要を高めます。
多分、「農家の台所」が10数件・デパ地下や高級スーパーの青果売り場に「国立ファーム」の常設売り場が10数件・デパ地下の惣菜売り場に「農家の台所」の惣菜・弁当のテナントを数件出店して、年商が30億円位になった頃には、機会があったら欲しいという潜在需要が出来上がります。すると市場の中卸さんたちにお得意さんから「国立ファームの野菜を仕入れたい」というオファーが来るようになります。そして中卸さんが仕入れ交渉に来てくれる事になります。そこで中卸さんの流通を利用させていただくことで嗜好品野菜の実需要を一気に10倍以上にするのです。

嗜好品野菜の供給は一気には増えません。市場原理として実需要が一気に増えれば価格は高騰します。そして嗜好品野菜の価格は2倍から5倍以上になるのです。ネガティブな農業生産者は「例え一時的に高騰したとしても直ぐに下るんだよ!」とおっしゃるんでしょうが、「上がる」ではなく「適正価格」になるのですから下りません。現状がオカシイ!が基本思考なんです!数百円で贅沢な思いが出来る数少ない嗜好品なんですから。

そして将来、農業生産者に相撲のような序列が生まれるべきなのです。序の口から幕下までの安心で廉価な食糧を担う80%の生産者と、十両から前頭の付加価値があり前者の価格の1.5倍から2倍で取引される高価な食糧を担う20%の生産者、そして横綱・三役クラスの楽しむために購買される価格が2倍から5倍以上の超高価な嗜好品を担う1%の篤農家が頂点に君臨するピラミット型の序列という構図を描きます。

お金と名誉とヤリガイを得ることの出来た1%の横綱・三役級農業生産者が生まれれば、勝つために門を叩く入門者も増えるでしょうし、現在は序の口や幕下でキツイ稽古に耐えている生産者たちにも希望を与えることになります。そして農業が魅力ある力強い産業に生まれ変わるのです。

やっとプレゼンの全容をご説明できました。プレゼン時間の15分でこれが出来ていれば、僕が100万円貰っていたと思うんですが、今の農業界ではまだまだ夢のような話なんでしょうね!

2009年7月号より転載

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6月 2, 2009

第26回 「らでぃっしゅぼーや」さん、格下が生意気申し上げます。

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 12:36 am

前号「消費者に不便をかけて喜びを与える!」プレゼン撃沈す!!の続きです。
前号で「らでぃっしゅぼーや」の緒方社長のインタビューが掲載されていましたが、「消費者のニーズと生産者のニーズを調整する能力が流通業者の最大の付加価値である。」というニュアンスの発言には大賛成ですが、「芸術家・・・」の発言には物申したいです。AV時代、社長の僕は社員ディレクターたちに「会社の金で芸術家するんじゃねぇ!プロの映像クリエイターという確実に利益を出せる映像職人になれ!」と言ってきました。その反面、制作者としての僕は3作品に1作品当てればラッキーと思えるような芸術作品創りをしていました。そして大ヒットを当てまくり瞬く間に僕は日本一有名なAV制作者になり、その結果、僕の会社の新卒入社希望者が激増し、その多くは制作部希望者でした。

制作活動を誰よりも熱心にする人たちの中から選ばれた才能のある一部の人間ですら名誉と経済的評価を得られることが無ければ、その業界に若者たちは憧れて夢を持てるはずがありません。

緒方社長の「商売で芸術をするんじゃない!」をよく理解している上で言わせてもらいます。自分のリスクで芸術品を創りあげた生産者がいるのであれば、商売人として彼らを農業業界発展のために利用してあげるべきではないでしょうか。彼らが生産者でありながら芸術家として名誉と経済的評価を得られれば、野球のイチローのように若者たちに夢を与え農業業界を目指す生産者が劇的に増えることになるのです。その仕組みを創るのは正に商売人の仕事なのではないでしょうか。安全な食料の安定供給はJAさんと市場がやってくれますよ。だから国立ファームは自分のリスクで芸術家になろうとする農家さんを応援するためにプロデュース業務をします。

僕の考える「農業改革」の方法論は「農業イメージの改革」に尽きます。イメージが良くなれば全てが変わります。それはイメージの良い業界には優秀な若い力が希望を持って参入してくるからです。そしてそのようにイメージを良くして発展した業界は、スター選手やスター経営者や文字通りスターがいました。

スター生産者は国立ファームが創ります。らでぃっしゅぼーやさんはスター予備軍を作って下さい、そしてJAさんは底辺を支えてください。制作者に序列を付けない業界が成長するはずがないからです。
国立ファームとその他の流通業者の大きな違いは野菜を食料としてだけ考えるか、食料でありながら嗜好品にも成りうると考えるかです。食料なんだから不真面目なことは出来ない=面白いことは出来ない、という呪縛に縛られているんです。嗜好品と考えれば、面白いという要素はお客様を喜ばすための必需品です。
そして嗜好品に必要不可欠なものは“ブランド”です。一部のマニアが品質やデザイン・伝統といった詳細なデータからブランドを創りあげます。そして多くの一般人は詳細な情報を得るために多くの時間を費やさないので、ブランドという情報を元に購買を考えます。婚約指輪はとりあえずティファニーで買えば問題ないだろうという発想です。

国立ファームは“農家の台所”を今後数十店舗まで拡大させ、特選野菜のレストランとしてブランドにします。その間に数名の篤農家がスター農家になり、その農家の野菜が食べられる店として更にブランド化させると、デパ地下や高級スーパーで野菜や惣菜をテナントとして販売されるようになるでしょう。そうなるとまた篤農家からスターが生まれ、“農家の台所”と“国立ファーム”がブランドとして一般人に知られるようになるのです。

お約束通り、またまた次号で・・

2009年6月号より転載

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5月 1, 2009

第25回 『消費者に不便をかけて喜びを与える!』プレゼン撃沈す!! 

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 7:16 pm

現在はお金が掛からない祭りならば結果を恐れずとりあえず参加する国立ファームは、農業ビジネスプランのコンテスト『A-1グランプリ』に参戦しました。結果はご存知の通り、鹿児島県の㈲さかうえさんに惨敗です。

敗因は僕がプレゼンをする側は初めてだったもんで、制限時間15分では半分も話せず結論まで説明できなかったことに尽きます。そんなわけで、未練たらしく結論までをここでプレゼンさせて下さい。

キーワードは「不便」=「面白い」です。「野菜」=「便利」=「地味」だから「儲からない」、ならば「便利」を「不便」に変えることで「面白い」が生まれ、「儲かる」という仕組みを作り上げるという暴論を解説します。

皆さんは「不便」な女や男に恋愛感情を抱いたことや、実際に交際したことはおありでしょうか。自分の思い通りにならない異性は魅力的です。ただし「不便」というマイナス要因を凌ぐ「魅力」があることが絶対条件ですが・・・。

「魅力」とは他にない美味しさがあることが当然で、他にない見た目だと更に良いのですが、一番重要なのは需要に対して供給が限られていることです。簡単に言えば手に入りづらい商品であるということです。Hカップアイドルみたいなモンです。

例えば、有機野菜という商品は味の違いが分かりづらく、見た目は同じか劣る場合が多いです。そのために需要が伸びづらく、ブームで供給が増加したために価格は頭打ちになっています。大地さんやオイシックスさんが一般流通させないのは、供給ルートを制限することによって商品に付加価値を付ける作戦です。しかし「不便」と「魅力」の相対関係で、それが1:1では大きな需要は喚起できません。野菜や健康に対する一部のフェチを確実に捕まえられても、それが一般層に大きくは拡大しないでしょう。少なくとも10:10理想をいうならば10:100になれば需要は爆発します。そうなれば価格が青天井になることは必然です。

「不便」と「魅力」の関係を分かりやすい具体例で言います。“農家の台所”でニンジンの美味しさに驚いたお客様が店員に「なんでこんなに美味しいのですか?」と質問されます。
店員 「このニンジンは千葉の斉藤完一さんが無農薬・無化学肥料で作られたひとみ五寸です。あのポスターの酔っ払っているような赤ら顔のおじさんです。ああ見えて有機栽培の第一人者で、20年以上かけて作りあげた土は棒がスルスルと1・5mも差し込めるんです。このスゴサが分かりますか?なのに面白い方でウチの社長に水耕栽培や三段ポット栽培なんかの新しい栽培法を勧めてくるような人なんです。お野菜も人柄で美味しくなるんでしょうね!」
お客様 「感激しました。また来週お友達を連れてきます。」店員「お客様、申し訳ありません。完一さんのひとみ五寸が美味しいのは今週いっぱいで、また1年後の1月にお越しください。」
お客様「あら、残念だわ。来年はお友達たくさんと来ますね。完一さんにそれまで宜しくお伝えください」

この関係が出来ると10:10になります。さらに完一さんがTVで出まくって有名になってくだされば、「あの完一さんのひとみ五寸」に昇格して10:100になるんです。

こう考えると、1年待たされることは本当に「不便」なことなんでしょうか、翌月になれば立川の茂士山さんが凄いベータリッチを出してくれます。こうして毎月数十種類のスゲー野菜がローテーションで出て来てお客様を驚かしてくれるのですから。実は「不便」というのはお客様=消費者にとってではなく、流通業者や販売者にとってではないでしょうか。

あ~ぁ!またやってしもうた!まだ半分も語ってないのに時間が無くなってしまった。結論は次号で!

2009年5月号より転載

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4月 2, 2009

第24回 理屈じゃないんです!子どもは親の背中を“ぢぃー”と見ています

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 1:58 am

僕が国立ファームを立ち上げた頃は何故かカッコ悪い百姓ばかりに出会っていました。変化を嫌う百姓・補助金の計算が好きな百姓・息子に媚びる百姓・実は金に姑息な百姓・不動産を守るために生きている百姓・弱者に強い百姓・セクハラ百姓・他人を喜ばせる術を知らない百姓・そして百姓にプライドのない百姓。観察していて共通点がありました。彼らには農業という家業の担い手がいないことです。まさに現代農業が抱える大問題のど真ん中にいる人たちでした。

国立ファームが現在取引をさせていただいている農家さんは例外もありますが、
皆さん後継者問題に無関係です。農業を継いで親父に楽をさせている息子がいるか、楽になり息子を見守っている親父がいる人たちです。皆さんの多くは脱JA組か、新規就農組で経済的にも苦労をされた時期を過されて、ご子息もその苦労を見て農業を嫌っていた時期もあったそうです。

先日、『農業経営者』でも紹介された長野の信州ファーム荻原さんを訪ねました。長男の昌真さんは全国4Hクラブの会長も勤めながら耕作面積100haを目指して業務を拡大している若手の農業経営者です。お父様の慎一郎さんは、3人のお子様がまだ小さいときに事故で片腕を失くされても農業を続けてこられた苦労人さんです。そのお父様に「どうすれば、こんなに立派なご子息を育てられるのですか?」と訪ねると「オヤジの出来が悪いからでしょう」と笑って即答されました。カッコいいっスよね!ウダウダ語らず。

新潟県では最低収入を保証する制度を考えているようですが、保障されたから水稲を続けようとするような農家で子供は後を継ごうと思うのでしょうかね。

国立ファームで生き残っている50名の社員たちの動きが最近良くなってきたんです。親である僕の背中を子供である社員たちが観察しているんだなーと改めて感じさせられました。昨年の暮れあたりから僕の中に貧乏時代のハングリー精神がよみがえってきたからだと思います。それまでは国立ファームがどうなろうと僕だけは脱出カプセルを持っていました、それは会社を解散すれば僕だけは経済的に悠々自適の生活が出来るという意味です。10億円失えば、カッコ悪いけれども逃げ出す権利があると思っていたんです。本当にカッコ悪いっスよね! しかし今はアリエマセン! うちのカミサンも察して、言ってきました「アンタが何をしても止めないし、止めても聞かないんでしょうから、家だけは担保に入れないでね! 私たち(妻と子供2人)にも生活する権利があるんだからね」と。

資金残高1億円を切りましたが、生き残るために敢えて背水の陣を敷きます、追加資金は用意しません。残された資金がある間に単月黒字化にします、必要経費を必要と認めません。やっぱり僕は雑草です。ハウスも肥料も農薬もないほうが育ちやすいようです、気合で生き残ります。開店以来赤字だった「やおやのそうざいや」もカッコ悪いんですが閉店させました。パートさんにも申し訳ないんですが辞めてもらいました、弱者が綺麗ごとを言いません。

資金が豊富にあったことにより、僕をはじめ子供たちに精神的贅肉を付けてしまいました。幸いにして、こんな大赤字のダメ会社に見切りを付けず、寝食を忘れて結果を出そうとしてくれる子供たちがいます。

今、国立ファームの社員たちにオヤジとして背中で伝えなければならない一番重要なことは、苦難から逃げない姿勢、逆境のなかで妥協しない姿勢だと思っています。だから今の環境がオヤジとして最高の舞台なんです。人間の本心は上手くいかないときに現れます。

皆さんにもお見せしますよ!オレの本性を!!

2009年4月号より転載

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3月 4, 2009

第23回 井の中でゲコゲコ鳴いていますよ!ヒール宮井さん

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 12:06 am

先月号のヒール宮井さんのコラムを読んで、僕は都会に生まれ育って、テレビ業界で鍛えられたことは非常に幸運だったと改めて感じさせられました。ヒール宮井さん、コミュニケーション能力がありませんよ!

宮井さんが先月号で書かれていたコミュニケーション能力欠落男はテレビ業界には生息もしていません。もっと次元の高いところでご自信の能力が高いことを表現してください。宮井さんが考えるコミュニケーションは言葉のキャッチボールで終わっていませんか。

僕の考えるコミュニケーションは会話を通して相手の思想や考え方を理解して初めて意味あるものです。少なくとも僕は、宮井さんのこだわる「農業は家族経営」という言葉が頭に残り、今後農業をしながら、そして農家を観察しながら答えを出していくのが課題になっています。親族を排除して赤の他人という弟子たちに会社経営を託してきた僕には、経験もなく全く理解できない論理だからです。僕は宮井さんの経験や立場から生まれる考えを理解しようとする努力をしています。そうした思考がコミュニケーションには絶対必要なものだと思います。

本当は常識的な宮井さんが、毒舌芸を披露することは、演出家として大変面白く思っていします。しかしメディアを通して発言できる者の最低限の節度は守ってください。ギリギリの表現を楽しむ僕は、口が滑ってしまったのだと許しますが、一度だけ、しかも好意的に面会した相手を「嘘つきの特徴であるくすんだ目が見られたり」とメディアで揶揄することは許されることではありません。「農業経営者」さんも注意するくらいの配慮はないんですか。それとも僕と喧嘩したいと言うのならいつでも買います。

僕が宮井さんに伝えたいことは、あなたのような農業生産職人は絶対的に異業種や異文化の日本人との触れ合いが少ないということです。米国がどうのこうの言う前に、東京で活躍する多種多様な日本人ともっと触れ合うべきです。イイやつもヤなやつもいますが、どんな奴でも触れ合うことで全て勉強になったと感じています。偏らないことが重要なんです。僕より遥かに頭脳明晰で勉強家の宮井さんだから言いたいんです、絶対的に正しい思想なんてないんです。たとえ、宮井さんの意見が9割正しくても、残り1割の意見も正しく思えるアングルの思考も身に付ける習慣を付けましょうよ。50の手習いをしている先輩として同い年の宮井さんだから言わせてもらいました。

そんなことは分かっている!そういうお前は何ぼのもんじゃい!と言い返されると思いますのでテレビ制作会社のAD時代の話をします。

ADの仕事はディレクターが独自の感性でどんなことをしてでも視聴率の獲れる番組を創るために、全ての環境を整えることです。しかし番組の関係者は違う感性をそれぞれ持っています。利益を上げたい製作会社プロデューサー、スポンサーや視聴者からクレームがないことを望む局プロデューサー。自分が目立つことが第一の出演者と早く帰らせたいマネージャー。それぞれこだわりがあり、予算もあるのに言うことを聞いてくれない放送作家、技術、照明、美術、オペレーター、ミキサー、メイク、スタイリストなどの専門職。すぐに逃げ出す新米ADや一番厄介な一般人や一般企業の協力者などなど。それらの人の意見を聴き、協力を仰がなければ仕事にならないテレビ制作という環境で人間関係という一番難しい難題を毎日のように抱えるという鍛錬を受けていました。

自然以上に難敵だったと思います。だから、東京に遊びに来てください。まずは他人の偏った思想を分析して指摘するのが大好きな公共放送のプロデューサーを紹介しますから。

2009年3月号より転載

 

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2月 1, 2009

第22回 農業経営者党「ヒール宮井」vs.ものづくり党「高橋がなり」

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 4:41 pm

「農業経営者」読者の会の忘年会を「農家の台所」国立本店で開催していただきました。ご参加いただきました読者の皆様、昆編集長はじめ編集部の皆様ありがとうございました。
 
年商150億円のソフト・オン・デマンド創業社長として、ご参加いただいた農業経営者の皆様に、上から目線でモノ言わせていただくと宣言していたのに、強気な発言ができなくて申し訳ありませんでした。ヒール宮井さんとの喧嘩対談も予定していたんですが、僕のボルテージが上がらず、盛り上がらなくて返す返すもすいませんです。
 
初めてお会いした宮井さんはヤッパリ頭の切れる会話ができる人物でしたね、僕の言う「頭の切れる会話」とは、相手の反応を見ながら相手が望む話をその場で構築しながら臨機応変に楽しく話すことです。とはいえ、二人とも素人なもんで初対面の人と挨拶早々にお約束とはいえいきなりバトルトークはできません。

完全燃焼のできなかった宮井さんは二次会でやっとエンジンが回ってきたようです。いきなり問題が出題されました。「収穫の多い畑と少ない畑ではどちらが質の良い作物が作れるか?」僕は「少ない方ですか?」宮井さんはニッコリと「間違いなく多い方です!では収穫を増やす方法は?」僕は自信を持って「堆肥による土作りです!」。宮井さんはケェっという顔をして「科学です!1回数十万円で土壌診断を米国に依頼します。その診断通りに土作りをすれば、毎年確実に収穫高が上がります。この方法で一番確実に収穫を増やす生産者は、この方法以外に何もしない生産者です。これが科学です」。僕の稚拙な文章のせいで宮井さんがこれ以上敵を作らないために少し付け加えておきますと、自分の畑の土を知り尽くした生産者は今までの経験から“カン”で科学と同等の土作りに成功している人もいるとおしゃっていました。

宮井さんのように、農業を経営と考えられる生産者が少な過ぎますし、経営的視点から生産を考えて勉強している生産者も少ないでしょうね。国立ファームも将来は宮井さんにライバル視される生産法人を北海道に作りたいと考えています。考えてはいますが、言い返したいんです、「それは“ものづくり”ですか?」と。

宮井さんの博識と実績の前では赤子も同然の僕は、生産者は実はエロネタが好きだということも宮井さんのおかげで学べましたのでAVを例えに反論しました。AV業界では、今売れている女優をキャスティングして手堅く作品作りをする“女優モノ”が儲かります。僕がAV業界に参入した13年前は大手5社と呼ばれるメーカーが売れる女優を独占していました。売れる女優の出演料は200万円~500万円が相場です。それに対抗して僕は2万円~20万円の女優たちに僕の経験から生まれる“カン”を“企画と演出力”という言葉に変えて“企画モノ”と呼ばれる作品を制作して、大勝してきた実績の話をさせていただきました。

僕は儲かる作品創りの方法論として、オリジナリティにこだわっています。僕にしかできないものしか作りたくありません。だからものづくりとして儲かりましたし、プライドを持てました。こんな僕の存在は多くのAV制作者たちに勇気を与えられたと自負しています。そして多くの後輩たちを制作者としてAV業界に呼び込むことにも成功しました。

生産者で科学も効率も勉強しない、理解できないバカとはお付き合いしたくありません。しかしあえて呼ばせていただきます、宮井さんを「農業団塊世代」と。戦中戦後の貧しい時代を見て育ってしまったので、経済的繁栄を追いかけ過ぎて、精神的自由を見失ってしまった方々の農業版のようにお見受けしました。そろそろ僕と遊びませんか?

2009年2月号より転載

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1月 20, 2009

お詫び

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 10:47 pm

「アグリの猫」をいつも楽しみにして頂き、
ありがとうございます。

このたび、次号3月号の発売を前に、
誤って連載22回分の原稿を掲載してしまいました。

このページは、「農業経営者」編集部のご理解とご協力のもと、
発売後1ヶ月が経過したものを、転載するお約束になっております。
ですので、次回発売に合わせて
2月1日に再びアップさせて頂きますが、
現時点では一時、情報を下げさせて頂きます。

コメントを下さった皆様、誠に申し訳ございません。
アップの際には、コメントまであわせて掲載させていただきますので
今しばらく、お待ち頂ければと存じます。

今後はこのようなことのないよう、細心の注意を払う所存です。
この度はご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。

                  広報課 加藤

1月 1, 2009

第21回 野菜に保守的な飲食店営業に弾みを付ける「農家の台所」恵比寿店

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 11:05 pm

大東京の田舎「国立市」に「農家の台所」という野菜の違いを消費者にご理解いただくためのレストランをオープンして2年が経とうとしています。国立ファームにとって飲食事業は「目的」ではありません、特選野菜の生産法人として成り立つための「方法」です。手間隙のかかる良い野菜を作り続けるためには、それを舌で理解して高価格な野菜を買い求めてくださるお客様を開拓しなければならないからです。

まだ慣行栽培の野菜も作れない国立ファーム「農家の台所」を救ってくださったのは全国で特栽野菜を生産されている篤農家の皆様でした。おかげさまで、違いをわかって下さるお客様で繁盛して、多くのマスコミにも取り上げられています。

そしていよいよ、目的に向かって一歩前進するプロジェクトがスタートします。大東京23区の人気レストランへの野菜卸事業です。非常に小さい(15坪)出荷センターを開設し、まだ1便しかありませんが自社の2トン保冷車も運行しています。予備営業として4月から飲食店への営業も進めて参りました。そしてあらためて分かったことがありました。

多くの飲食店は野菜の仕入れに特異性を出そうとしません。店舗営業後の深夜に発注して翌日朝には配達される市場品野菜が一番なんです。規格が揃っていて、一定期間安定して仕入れられる市場品野菜が一番なんです。ごもっともです、到底真似のできない素晴らしい流通です。面倒で卸値の高い特選野菜を利用しても、お客様がその違いを評価して客数が増えたり、客単価を上げてくれないと考えられていたりするからなんです。

ならば、実力行使しかない。ということで23区の一等地にお客さまがガバガバ来てお金を落としてくださる特選野菜のレストランを出して野菜の底力を見せ付けてやることにしました。

11月22日に「農家の台所」の2号店になる恵比寿店がオープンします。恵比寿駅から徒歩1分の新しく建ったオフィスビルの1階です。ビルを所有する会社の厳しい審査の結果、十数社の中から選ばれました。

恵比寿店のスタッフには今から以下のことを伝えてあります。恵比寿店のライバルになる隣の飲食店から特選野菜の卸し営業をする、数が少ない時には他店を優先する。繁盛することは当然で、レシピを随時開発して公開する、ことです。

国立ファームが描くシナリオは、特選野菜を美味しいと実感させるレストランを出店して繁盛店として認知させる→他店との差別化のために特選野菜を扱う飲食店を増やす→特選野菜の味の違いと料理法を一般的な(マニアックな野菜好きでない人)消費者が認知する→スーパーで特選野菜のコーナーが充実する→特選野菜の需要が増える。この流れに平行して、国立ファームを特選野菜のブランドとして確立させながら自社物流を拡充させます。そして今からスタートしている国立ファーム生産法人の生産技術力が追いついて来た時に、この物流に合流させるという皮算用なんです。

どうですか、ヤリガイのある農業生産をするために、こんなに遠回りで、こんなに面倒なことから始める農業生産者や関連団体が他にありますか。あるんだったら参考にさせていただきたいんでご紹介ください。

最後に確認の意味で、「そんな面倒なことをやってないで、イイもん作る努力を早よしなよ!」とごもっともなご指摘をされる方々に言わせてください。外的要因で自分が上手くいってないことを正当化する人を僕は「弱者」と呼んでいます。僕は臆病な「ものづくり」なのですが「強者」を目指しているので、宗教臭い流通や金勘定優先の流通に僕が将来作るであろう大切な「もの」を依存する気はないのです。

2009年1月号より転載

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12月 1, 2008

第20回 ヒール宮井さん。「面白百姓百選」に登録させて下さい!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 4:44 pm

先月号で「国立ファームが自信を持ってお勧めする篤農家百選」を作り、マスコミに尊敬される百姓を紹介してもらうことによってカリスマ篤農家を創りあげることも重要な農業改革に繋がるのではないかと提案させていただきました。

すいません!これも当然進めますが、僕も元マスコミの人間として、というよりは、元バラエティ番組のディレクターとしてテリー伊藤の弟子を自負する僕としては主観が強すぎたことに気付きました。

真面目すぎるんです。面白みに欠けているんです。僕たちが真面目に農業を考えて真面目に農業をアピールしたいと思えば思うほど、非農業者たちとの温度差が広がってしまうんです。農業に興味のない人たちに熱く語れば語るほど引かれてしまうんです。だからここは一歩引いて客観で考えるべきなんです。

真面目なNHKの番組も当然大切なんですが、視聴率が取れて農業に興味のないような大多数の若者たちに農業を楽しくアピールするためには、バラエティ番組や軽くてちょっとお下品な雑誌で注目を浴びるような面白系の百姓が必要なんです。硬い番組で真面目に法律を語っていた弁護士はマイナーメジャーになれても、バラエティで何でもやった橋下弁護士のようなメジャーな弁護士にはなれません。弁護士の仕事をしない橋下弁護士の是非は別問題で、彼の存在によって弁護士を目指す若者が増えたことは確実でしょう。

そこで、バラエティでも引っ張りだこになりそうな面白系・変人系・美男美女系・オカルト系・拝金主義系などインパクトがあり、なおかつベシャリ(しゃべり)の立つ農業生産者をマスコミ関係者に紹介していくためのサイト「面白百姓百選」を立ち上げたいと考えています。

ヒール宮井さん!長沼町の宮井能雅さん!読んでくれていますか?お会いしたこともないのに大変失礼なんですが、あなたの出番なんです。宮井さんのキャラなので怒らずに笑ってくれると確信して申し上げます。

宮井さんは面白すぎます。お笑い番組の制作者にとって「面白い」の一番重要な要素は「バランスが悪い」なんです。宮井さんのコラムを読ませていただくと、左翼思考者をなじる街宣車に乗った超右翼さんのようです。宮井さんの発言全ての方向性に僕自身は賛同です。だけど「誤」を逆にしても絶対に「正」になるとは限らないでしょ、なのに間違っている農民の逆をすることは全て正しいと主張する。例えば「GM作物に反対することが間違っている≒GM作物を生産することが絶対に正しい」なのに「=」を使う宮井さんの無謀な決めつけは無茶過ぎます。

と言う自分も、AV時代は「AV業界は間違っている。よって真逆なことをしている自分が正しい。」という論法のコラムを連載していました。なので宮井さんの竹を割ったようなコラムが大好きです。

宮井さんのキャラと実績と知識はマスコミに絶対ウケます。『農業経営者』以外の農業系のマスコミにはかなりキツイと思いますが、バラエティ系には絶対ウケる自信がありますので、是非とも国立ファームでマネジメントさせて下さい。

何で僕が、自分の会社もままならないのに、農業業界のためにカリスマ百姓を創りあげようとしているのかと言うと、国立ファームが黒字化したときに僕が農業界を代表するカリスマにされちゃうからなんです。マスコミが農業系の取材を僕に集中させてくることが予想出来ちゃうんですよ、嫌でしょ!宮井さん。家庭菜園程度で、まともに生産が出来ない僕に農業界の代表かのように農業を語られるのは。

ということで近々、広報を連れて取材に伺いますので、宜しくお願い致します。

2008年12月号より転載

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11月 1, 2008

第19回 ヤッパリおかしい!カリスマ篤農家のいない農業業界

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 6:54 pm

最近は毎週全国の篤農家さんにお会いしています。失礼な言い方になりますが、日本全国どこにでもいらっしゃるんですね、篤農家さんは。200万人の農業生産者がいるとすると、1%が篤農家さんだとすれば2万人いる計算になります。

なのにカリスマ篤農家と呼べるような有名な篤農家は片手で数えられるほどの人数しかいません。業界の発展とスタープレーヤーの人数は無関係ではないはずなんですよ。

篤農家の皆さんは土作りにこだわりを持っています。緑肥系の堆肥の土はあっさりした砂に近い味、厩肥系の堆肥の土はしっかりとした土のイメージそのものの濃い味がします。後味は全くなく3分後には口の中でジャリッとする以外は土を食べた感覚はなくなります。ちなみに、土壌消毒剤を使用した土を舐めると口に入れた瞬間に身体全体から拒否反応が起こり吐き出しています。さらに水を飲んでもしばらくは化学合成物の嫌味が残っていました。

畑の土がそれぞれの篤農家さんで千差万別なのは僕の舌で確認しました。当然そこで育つ作物も千差万別になっています。さらにはその土地に一番合っている品種も長年の経験から選択されているんですから、土地と品種と生産者の違いで同じに見える作物でもピンからキリまであるはずなのに、なのにですが、スーパーでは例えば「ニンジン」として無差別に売られてしまいます。たとえ生産者の似顔絵と県名・氏名を入れて売られたとして消費者はそれを元に購買の選択をしているのでしょうか。スーパーは選択されたくないはずです。商品の仕入れ・管理が面倒になりますし、1人の生産者の作物に需要が増えれば、需要と供給の関係でその作物の仕入れ価格が上がってしまうからです。だから、国立ファームは安心・安全のための生産者表示でない、商品の差別化のために生産者表示をしたいんです。作物が、そして生産者が差別化されるようになれば、あとはマスコミを利用させてもらってまずは数人を有名にするプロデュースをすることでカリスマ篤農家が誕生すると確信しています。

農業改革を謳う国立ファームの切り札は農作物の差別化以外にはありません。有機だとか減農薬などといった付加価値の区別ではなく、日本人の大多数が顔と名前と作物を知っているカリスマ篤農家をプロデュースして、その作物が通常の作物の数倍の価格で売れるようになれば、国民が憧れる百姓の頂点が誕生することになるんです。大リーガーのイチローと同等に扱われる百姓です。

そしてその下に篤農家が続き、その下に一般の百姓というピラミットを作ることが、自由競争社会に適合して発展する農業業界を作ることになると考えています。

しかし悲しい現状があります。就農調査研究事業報告書で「農業に関連して思い付く有名人」というアンケートを学生中心に1400名からしたところ、1位が田中義剛さんで171人、2位が高木美保さんで166人、3位がTOKIOで62人とその後も芸能人が続き、やっと同率10位で僕と無農薬りんご農家の木村秋則さんが6人、20位で永田農法の永田照喜治さんが4人という、生産者にとって惨憺たる結果でした。いかに篤農家の認知度が低いかということです。今の農業はビジネスとしてアピール不足である現状を痛感します。

なので、今進めているプロジェクトがあります。「国立ファームが自信を持ってお勧めする篤農家百選」リスト制作プロジェクトです。マスコミが篤農家をもっと気軽に取り上げていただける様に、マスコミにとって利用しやすい篤農家のキャラを前面に押し出したリストを制作して誰でも観覧できるよう、国立ファームのホームページで徐々に紹介してまいります。お楽しみに!

2008年11月号より転載

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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