12月 3, 2007

第8回 「補助金」ではなく、「タイアップ」を!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 9:52 am

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先月号でお伝えしたように、僕は国立ファームの各部署で、積極的に現場へ顔を出しています。その結果、やはりというか、当然のように社員たちが辞めていきました。

僕が「ここまでの仕事をしろ!」とその子の能力の120%ぐらいの仕事の指示を出す。やはり、できない。だから、「なんで、できないんだ!やり直せ。」と檄を飛ばす。でもできない。それを4回くらい繰り返すと、「辞めさせてください」となる。先月だけで、生産部では4人、飲食部で2人の計6人がいなくなりました。

生産部の1人が辞めた理由が、「高橋さんの言う儲かる農業だと、僕が作りたいものが作れない」というものなんです。この言葉はまさに、これまでの農業の問題点を象徴していると思っています。

多くの生産者の方々は金勘定ができていません。ほとんどの方は、楽しい肉体労働しかしていないんです。だけど僕は、労働する前には頭を使って、費用対効果をきちんと考えるべきだと思っています。モノを作る前に、どういう売り方をするのか、どういう営業方法を取るのかを考えた上で、損益分岐点を設定するのは他の業界では当たり前のことです。

もう少し具体的にお話しましょう。以前触れたように、国立で手に入れた450坪の農地に、トロ箱栽培用の施設を作ろうと僕は考えています。そこで社員に「最先端の技術を探せ!」と命じました。これまでに見たことのない技術を結集させた、トロ箱の農場、日本一カッコいいハウスを作ろうと考えたのです。

もちろん、そんなにお金があるわけではありません。だから僕は、「その資金をタイアップで集めよう」と考えています。

国立ファームの農地は、国立府中インターのすぐ近くにあります。こんなに利便性のいい場所はありません。ここに全国の生産者の方々が視察に来る可能性は十分にあります。そこに最新型の設備を作れば、最先端の設備を取り扱っている会社にとっては、絶好のPRの場であり、格好のモデルハウスとなります。そうすれば、お互いにとってメリットはあるし、完全なギブ・アンド・テイクの関係にもなります。

これまで農業に携わってきた方たちは、いつも「補助金が~」と口にします。でも、国立ファームでは、「補助金」を当てにするのではなく、「タイアップ」を取ることを考えようと思います。商売の世界では当たり前の「両者が得る」という考え方です。

そろそろ、JAさんや国に頼りっきりの、弱者体質から抜け出すことを真剣に考えましょうよ。何でもかんでも与えてもらうのを待つのではなく、こちらからも何かを与える代わりに、相手からも何かをもらうという発想です。

僕は、今までの農業を全否定しているわけではありません。むしろ、生産をして報酬を得る農業をちゃんと残していきたいから、ただ「作る」のではなく、その前にやらなきゃいけないことをきちんと考えましょう、と言っているんです。
これからは、「作る」前に、きちんと「売る」道筋も考えておく。僕たち、国立ファームの目的は、「農作物を作りたい。そして、それをきちんと売りたい」ということです。

僕の中には、今、農業に対する郷土愛が芽生えてきています。実際には、まだきちんと利益を生み出していないから、農業の世界に住んでいるとは言えないかもしれません。今はまだ、住民申請をして、住まわせてもらえるかどうか、厳しい審査を受けている真っ最中です。

もしも、住民票を得られたときには、引退して一人の生産者として国立ファームに野菜を卸します。僕の作った特選カリフラワーを一株1000円で買い取ってもらいます。何年先になるか分かりませんが、そのときのために売り先である国立ファームを育てているのですから。

2007年12月号より転載

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※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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