8月 1, 2008

第16回「Do See Plan」で得たもの・失ったもの

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 6:12 pm

 

国立ファームのモットーは「ドゥ・シィー・プラン」です。一般的によく言われている「プラン・ドゥ・シィー」をひねった造語です。精細に計画を立て て実行してキチット検証することがビジネスの基本であるというのであれば、誰もが成し遂げていない農業改革を謳う国立ファームはまず動いちゃおう!そして 失敗して反省しながら、チャレンジし続けようという意味です。

無謀な行為です、しかし無謀だから可能性があるんです。だから授業料を用意しました。お金を払うから勉強をさせてという気持ちです。しっかりと勉強して社会に役立つ会社になればお金は利子が付いて返還してもらえる特典付きの授業料です。

国立ファーム設立準備室を一人で立ち上げてから26ヶ月が経ちました。その間に5億円は授業料として綺麗サッパリに消えました。3.5億円は農地や店舗敷金・造作として形を変えてしまいました。

無謀な挑戦でお金以上に貴重な時間を失いましたが、これは元を取っています。面白い人生を過ごさせて頂いています。悔しい・申し訳ない・楽しい・腹立だしいという思いをこの歳で毎日していますから。

結局、失ったものは5億円だけです。では得たものを捜してみます。

まずは、農業生産法人の資格です。非農民である僕が、間接的ですが農地を取得できるようになったことには大きな意味があります。努力と時間をかけて 得たものには喜びがあります。1年前に4人の農業研修生を雇い、有能な生産者さんに預けました。2人が去り2人が残って千葉の自社農場に移住しました。こ の研修生の存在と農産物の自社流通が認められて資格を取得できたからです。

何よりも大きな収穫は特別栽培品を少量づつなのに直送してくださる有能な生産者さんたちと信頼関係を結びつつあることです。まだまだこちら側の不手 際でご迷惑をおかけしているにもかかわらず、勝手な注文に応えてくださる生産者さんが100軒を超えました。人間関係は濃さも重要ですが、年月を重ねるこ とが信用に繋がると思っています。

この流れから、もう一歩進んだ契約栽培をしてくださる生産者さんたちを獲得できるようになってきました。現在ソルトリーフは埼玉から北海道までの5 件で栽培していただいています。東京の地元でも「1a運動」と題して、30坪の契約栽培で今までに栽培したことのない珍しい野菜に挑戦していただき、僕ら が朝採りして集荷する契約を10数軒の生産者さんたちと結ぶことができました。これを機に付加価値のある都市農業を創造したいと考えています。

このような生産者さんたちのおかげで、まだまだ少数なのですが東京都内の高級レストランや高級スーパーへの卸で実績を上げています。6月の伊勢丹新 宿本店地下で行った2週間の国立ファーム特選野菜売り場では一坪の売り場でトータル700万円という記録的な売り上げを達成できました。数ヵ月後には自社 便として2t保冷車が毎日新宿に朝取り野菜を配送する予定です。

人財面でも大きく進展しています。能力があったかないかは知りませんが、ヤル気のない社員たちは去って行きました。今残っている社員は能力はない が、ヤル気のある若手社員です。2年前の平均年棒は600万円以上でしたが、今は300万円以下です。少ない休日と長い労働時間と少ない給料の中で目を爛 々と輝かしている連中です。会社にぶら下がるのではなく、持ち上げようとしてくれる子供たちです。

こうして得たものを見直してみると、得たものがはるかに大きく見えます。無謀に見える挑戦ですが案外「成功」と言われる日が来るかもしれませんね。まだまだ授業料は払わされるのでしょうが、やっぱり人生は「ドゥ」から始めるべきですよ!

2008年8月号より転載

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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