5月 1, 2009

第25回 『消費者に不便をかけて喜びを与える!』プレゼン撃沈す!! 

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 7:16 pm

現在はお金が掛からない祭りならば結果を恐れずとりあえず参加する国立ファームは、農業ビジネスプランのコンテスト『A-1グランプリ』に参戦しました。結果はご存知の通り、鹿児島県の㈲さかうえさんに惨敗です。

敗因は僕がプレゼンをする側は初めてだったもんで、制限時間15分では半分も話せず結論まで説明できなかったことに尽きます。そんなわけで、未練たらしく結論までをここでプレゼンさせて下さい。

キーワードは「不便」=「面白い」です。「野菜」=「便利」=「地味」だから「儲からない」、ならば「便利」を「不便」に変えることで「面白い」が生まれ、「儲かる」という仕組みを作り上げるという暴論を解説します。

皆さんは「不便」な女や男に恋愛感情を抱いたことや、実際に交際したことはおありでしょうか。自分の思い通りにならない異性は魅力的です。ただし「不便」というマイナス要因を凌ぐ「魅力」があることが絶対条件ですが・・・。

「魅力」とは他にない美味しさがあることが当然で、他にない見た目だと更に良いのですが、一番重要なのは需要に対して供給が限られていることです。簡単に言えば手に入りづらい商品であるということです。Hカップアイドルみたいなモンです。

例えば、有機野菜という商品は味の違いが分かりづらく、見た目は同じか劣る場合が多いです。そのために需要が伸びづらく、ブームで供給が増加したために価格は頭打ちになっています。大地さんやオイシックスさんが一般流通させないのは、供給ルートを制限することによって商品に付加価値を付ける作戦です。しかし「不便」と「魅力」の相対関係で、それが1:1では大きな需要は喚起できません。野菜や健康に対する一部のフェチを確実に捕まえられても、それが一般層に大きくは拡大しないでしょう。少なくとも10:10理想をいうならば10:100になれば需要は爆発します。そうなれば価格が青天井になることは必然です。

「不便」と「魅力」の関係を分かりやすい具体例で言います。“農家の台所”でニンジンの美味しさに驚いたお客様が店員に「なんでこんなに美味しいのですか?」と質問されます。
店員 「このニンジンは千葉の斉藤完一さんが無農薬・無化学肥料で作られたひとみ五寸です。あのポスターの酔っ払っているような赤ら顔のおじさんです。ああ見えて有機栽培の第一人者で、20年以上かけて作りあげた土は棒がスルスルと1・5mも差し込めるんです。このスゴサが分かりますか?なのに面白い方でウチの社長に水耕栽培や三段ポット栽培なんかの新しい栽培法を勧めてくるような人なんです。お野菜も人柄で美味しくなるんでしょうね!」
お客様 「感激しました。また来週お友達を連れてきます。」店員「お客様、申し訳ありません。完一さんのひとみ五寸が美味しいのは今週いっぱいで、また1年後の1月にお越しください。」
お客様「あら、残念だわ。来年はお友達たくさんと来ますね。完一さんにそれまで宜しくお伝えください」

この関係が出来ると10:10になります。さらに完一さんがTVで出まくって有名になってくだされば、「あの完一さんのひとみ五寸」に昇格して10:100になるんです。

こう考えると、1年待たされることは本当に「不便」なことなんでしょうか、翌月になれば立川の茂士山さんが凄いベータリッチを出してくれます。こうして毎月数十種類のスゲー野菜がローテーションで出て来てお客様を驚かしてくれるのですから。実は「不便」というのはお客様=消費者にとってではなく、流通業者や販売者にとってではないでしょうか。

あ~ぁ!またやってしもうた!まだ半分も語ってないのに時間が無くなってしまった。結論は次号で!

2009年5月号より転載

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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