6月 2, 2009

第26回 「らでぃっしゅぼーや」さん、格下が生意気申し上げます。

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 12:36 am

前号「消費者に不便をかけて喜びを与える!」プレゼン撃沈す!!の続きです。
前号で「らでぃっしゅぼーや」の緒方社長のインタビューが掲載されていましたが、「消費者のニーズと生産者のニーズを調整する能力が流通業者の最大の付加価値である。」というニュアンスの発言には大賛成ですが、「芸術家・・・」の発言には物申したいです。AV時代、社長の僕は社員ディレクターたちに「会社の金で芸術家するんじゃねぇ!プロの映像クリエイターという確実に利益を出せる映像職人になれ!」と言ってきました。その反面、制作者としての僕は3作品に1作品当てればラッキーと思えるような芸術作品創りをしていました。そして大ヒットを当てまくり瞬く間に僕は日本一有名なAV制作者になり、その結果、僕の会社の新卒入社希望者が激増し、その多くは制作部希望者でした。

制作活動を誰よりも熱心にする人たちの中から選ばれた才能のある一部の人間ですら名誉と経済的評価を得られることが無ければ、その業界に若者たちは憧れて夢を持てるはずがありません。

緒方社長の「商売で芸術をするんじゃない!」をよく理解している上で言わせてもらいます。自分のリスクで芸術品を創りあげた生産者がいるのであれば、商売人として彼らを農業業界発展のために利用してあげるべきではないでしょうか。彼らが生産者でありながら芸術家として名誉と経済的評価を得られれば、野球のイチローのように若者たちに夢を与え農業業界を目指す生産者が劇的に増えることになるのです。その仕組みを創るのは正に商売人の仕事なのではないでしょうか。安全な食料の安定供給はJAさんと市場がやってくれますよ。だから国立ファームは自分のリスクで芸術家になろうとする農家さんを応援するためにプロデュース業務をします。

僕の考える「農業改革」の方法論は「農業イメージの改革」に尽きます。イメージが良くなれば全てが変わります。それはイメージの良い業界には優秀な若い力が希望を持って参入してくるからです。そしてそのようにイメージを良くして発展した業界は、スター選手やスター経営者や文字通りスターがいました。

スター生産者は国立ファームが創ります。らでぃっしゅぼーやさんはスター予備軍を作って下さい、そしてJAさんは底辺を支えてください。制作者に序列を付けない業界が成長するはずがないからです。
国立ファームとその他の流通業者の大きな違いは野菜を食料としてだけ考えるか、食料でありながら嗜好品にも成りうると考えるかです。食料なんだから不真面目なことは出来ない=面白いことは出来ない、という呪縛に縛られているんです。嗜好品と考えれば、面白いという要素はお客様を喜ばすための必需品です。
そして嗜好品に必要不可欠なものは“ブランド”です。一部のマニアが品質やデザイン・伝統といった詳細なデータからブランドを創りあげます。そして多くの一般人は詳細な情報を得るために多くの時間を費やさないので、ブランドという情報を元に購買を考えます。婚約指輪はとりあえずティファニーで買えば問題ないだろうという発想です。

国立ファームは“農家の台所”を今後数十店舗まで拡大させ、特選野菜のレストランとしてブランドにします。その間に数名の篤農家がスター農家になり、その農家の野菜が食べられる店として更にブランド化させると、デパ地下や高級スーパーで野菜や惣菜をテナントとして販売されるようになるでしょう。そうなるとまた篤農家からスターが生まれ、“農家の台所”と“国立ファーム”がブランドとして一般人に知られるようになるのです。

お約束通り、またまた次号で・・

2009年6月号より転載

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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