7月 1, 2009

第27回 ブランドはあと2年で創りあげる!そして需要を喚起して値を吊り上げる!

Filed under: アグリの猫 — blog_admin @ 12:00 am

前回・前々回の続きでA1グランプリのプレゼンです。お客様に野菜の一番美味しい“旬”を理解していただくことで安定供給されない商品への魅力を感じていただく、そして野菜を産地や生産組合ではなく生産者個人の名前で区別していただく。そのために個人生産者には芸術品のような野菜を生産してもらう。“芸術品”とは感動・喜び・衝撃・爆笑・愛といった触れ合った人の心を揺さぶることの出来る“作品”のことです。だから食料としてではなく、嗜好品としての扱いを受けるべきなんですよ。生きるために食べる野菜ではなく、楽しむために食べる野菜が嗜好品だという定義です。

「農家の台所」では、この嗜好品を売るために絶対不可欠な“語り部”を育てています。今流行りの“野菜ソムリエ”さんとの違いは、生産者個々データの質と量です。そのために語り部は研修として生産者のお手伝いを毎週することで生産者と触れ合います。
残念ながら現在「国立ファーム」が仕入れ販売している農産物の価格は1.2倍から2倍です。それはまだまだ嗜好品としての野菜を求める需要を喚起できていないからです。

今は語り部が生産者を語れる舞台をコツコツと増やしている最中です。
「農家の台所」を中心に高級スーパーさんやデパ地下で野菜や加工品・惣菜を販売する売り場をお借りして語っています。この語りから「国立ファーム」ブランドを構築して販売店舗と量を徐々に増やし、嗜好品としての野菜の需要を高めます。
多分、「農家の台所」が10数件・デパ地下や高級スーパーの青果売り場に「国立ファーム」の常設売り場が10数件・デパ地下の惣菜売り場に「農家の台所」の惣菜・弁当のテナントを数件出店して、年商が30億円位になった頃には、機会があったら欲しいという潜在需要が出来上がります。すると市場の中卸さんたちにお得意さんから「国立ファームの野菜を仕入れたい」というオファーが来るようになります。そして中卸さんが仕入れ交渉に来てくれる事になります。そこで中卸さんの流通を利用させていただくことで嗜好品野菜の実需要を一気に10倍以上にするのです。

嗜好品野菜の供給は一気には増えません。市場原理として実需要が一気に増えれば価格は高騰します。そして嗜好品野菜の価格は2倍から5倍以上になるのです。ネガティブな農業生産者は「例え一時的に高騰したとしても直ぐに下るんだよ!」とおっしゃるんでしょうが、「上がる」ではなく「適正価格」になるのですから下りません。現状がオカシイ!が基本思考なんです!数百円で贅沢な思いが出来る数少ない嗜好品なんですから。

そして将来、農業生産者に相撲のような序列が生まれるべきなのです。序の口から幕下までの安心で廉価な食糧を担う80%の生産者と、十両から前頭の付加価値があり前者の価格の1.5倍から2倍で取引される高価な食糧を担う20%の生産者、そして横綱・三役クラスの楽しむために購買される価格が2倍から5倍以上の超高価な嗜好品を担う1%の篤農家が頂点に君臨するピラミット型の序列という構図を描きます。

お金と名誉とヤリガイを得ることの出来た1%の横綱・三役級農業生産者が生まれれば、勝つために門を叩く入門者も増えるでしょうし、現在は序の口や幕下でキツイ稽古に耐えている生産者たちにも希望を与えることになります。そして農業が魅力ある力強い産業に生まれ変わるのです。

やっとプレゼンの全容をご説明できました。プレゼン時間の15分でこれが出来ていれば、僕が100万円貰っていたと思うんですが、今の農業界ではまだまだ夢のような話なんでしょうね!

2009年7月号より転載

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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