第51回 災い転じて福となす!レストラン部門が4・5月黒字に…

国立ファームグループの野菜レストラン部門は、KFダイニング株式会社という名称で現在5店舗の飲食店と、3月に実験店舗としてデパ地下に出店した総菜屋の計6店舗を経営しています。篤農家から直接仕入れた野菜のサラダバーが名物の繁盛レストランとして、「農家の台所」は野菜好きのお客様に認知されるようになりました。しかし、「篤農家だけが創り上げることのできる高級野菜の需要を高める」というお題目が先行した結果、客数・売上に目が行ってしまい、飲食経営の基本ができずに4年間赤字を垂れ流すという情けない経営状態でした。川下の経営もできずに、難易度の高い川上の経営ができるはずがありません。また、まだまだ赤字を解消できそうもない生産部門や仲卸業務、そして始まったばかりの八百屋部門のためにも、先行した飲食部門は安定した黒字経営をしなければならないのです。

そんな背景から、KFダイニングの社長が責任を感じて辞めてしまいました。仕方なく昨年12月から僕が社長を兼任することになり、2月に最低の売上と約1000万円の経常赤字を出してしまい、3月は震災の影響で超最低の売上と2000万円の経常赤字を出してしまいました。

しかし、持っている男はここからが違います!4月は客数は持ち直し始めたものの売上高が前年対比70%程度だったにも関わらず、経常収支が一転して黒字化したのです。わずかな経常利益ですが、6000万円弱の売上で400万円弱の黒字を設立後初めて計上することができたのです。5月も同程度の結果でした。

実は要因の伏線は昨年12月から張っていました。まずは各店舗の店長とスタッフの固定化です。それまでは新店舗出店のたびにスタッフがシャッフルされ、一店舗の店長・スタッフが入れ替わっていました。当然店長のリーダー力が弱まりチームワークが悪くなり、店に対する愛情も薄まりやすくなります。そこで、忙しいという理由で現場に籠りがちだった店長を毎週必ず無理矢理本社に呼び出し、店の問題点を本社と共有するための面談をすることで、店長と社長である僕とのパイプを強くして店長の権力を高めてきました。

店長の目的は現場を回すことではなく数字(経常利益)を創ることである、ということを身体に染み込ませるために、朝会と称した全体会議を毎週月曜朝8時から行い、リーダーの報告を約3時間、それに対する僕のアドバイスを3時間以上、無理矢理全員に聞かせました。

例えば数字に強くない店長のために、目標の数字を一つに絞ることをアドバイスします。経常利益は総合的な結果なので複雑になりますが、まずは人件費比率を25%にすることだけを目標にしよう!と言えばできないとは言いづらくなります。しかし現実には、行列のできる店舗ほど、お客様に迷惑が掛かるから現状の35%以下にはできない、と言い切っていました。

そこに震災が起こり、お客様がパッタリと来なくなってしまいました。さすがに各店長はアルバイトを切り、最少人数での営業を心がけました。最少人数での営業に慣れてお客様が戻って来てくれた頃には、どの店舗も25%を切っていたのです。

無理して人件費を削らせれば、食材費も無駄にしたくなくなるのは人の常です。人件費比率を下げても食材比率が高ければ総合的な利益を求められないからです。人件費比率のノルマを達成した店長は、無駄な経費節減や売上アップにも積極的になってくれました。

これからが飲食店経営のスタートです。より利益を上げてお客さまと従業員に配分しなければ、永続的な経営はできないでしょう。今期通年で利益を出せれば飲食部門の社長を引退します。川下を一つ固めて、この勢いで川上に突き進んで参ります。

 

●高橋がなりTwitter⇒ http://twitter.com/ganari_t

●配信元:国立ファーム


※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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