第55回 経営者はどこまで自分がヤルべきか?

勤勉な子は3種類いる。頭の働きが勤勉な子と体の働きが勤勉な子、そして両方共に勤勉な文武両道のような子である。国立ファームがお取引いただいている篤農家さんに多いタイプである。

自分の求める結果が確固としてあり、その目的のために創意工夫し頭と身体を活発に働かせ活動されている。そのような方々は必然的に集落のリーダー的な存在になり、生産なり販売のグループを率いることになる。

そのようなリーダーのいる地域は農業が活性化する。代表的な例は和郷園の木内さんだろう。そこで重要なファクターは木内さんを神輿として担ぎあげる農家さんたちの存在だ。

その農家さんたちも自分の求める結果があり、その目的のために肉体労働をするのはもちろんだが、ただ従うのではなく能動的に良い作物を効率的に生産するという自分の責任を果たすべく試行錯誤されながら連帯している方々なのだ。

 

対照的なのはTPPの恐怖を押し付けられて自分で情報を集めることなく検証することもなく直近の利益を求めて受動的にデモに参加させられている農家さんたちである。

今の日本人の典型例のように、ものごとが上手くいかない時に自分が変わるのではなく、自分を取り巻く環境のせいにするような人たちである。

確固たる人生の目的がなく、惰性で幸せを求める人々は“甘言”が好きだ。そういう方々のリーダーが自分の地位を保全しようと考えれば決して厳しいことを言わない。

族議員として票田を守ろうとする亀井静香の発言をイメージしていただくと分かりやすい。対して木内さんはグループのメンバーに日々改善する努力を強いているはずである。

それに応えられるメンバーや社員さんたちだから和郷園は素晴らしいのだろう。それに対して、国立ファームのリーダーたちが頭脳労働に怠慢なんです。結果を出すための仕事を創る作業と、それをチームとして効率的に行なうための指導をする作業をしないからです。

 

散々偉そうなことを言っていながら、またまた愚痴をこぼさせていただきます!僕は国立ファームを始めて「頑張る」と「一生懸命」という言葉が嫌いになりました。訓練の時に使う言葉であって、プロならば試合で使うべきではありません。

彼らの仕事に置き換えれば、お客様をお迎えする前の準備を怠り、営業が始まってから一生懸命ガンバルのです。実は、20日ほど前から出社拒否をしています。社長なのに……。レストランを改善すべく1日1店、現場に入って改善点を上げていました。

恵比寿・新宿三丁目店と回って毎回60~100の改善点を見つけています。そして銀座店の日にキレてしまったのです。キノコ栽培コーナーのキノコが枯れている! 店長は「湿度調整が分からないもので……」そうめんかぼちゃのコンポートが甘くない!

同行したレシピ担当者が「レシピ指示はしていましたが……」。君たちは結果に責任を負うプロになる気はないのか!? 一事が万事! 全リーダーがこの調子なのです!

 

国立ファームというグループを高橋がなりの専制君主会社として強烈にけん引して来ました。

 その結果が、思考能力のない単なる労働者として、結果はすべて僕任せという意識の社員にさせてしまったようなのです。ならば、弊害は僕なので僕を取り除けば良いだけです。

安定した店舗経営をしたければマニュアルを作るべきなのでしょう。しかし僕はマニュアルが嫌いです。理由は、「だから農業が好きになった」と言えばお分かりになるでしょう。

進化する頭脳を持った結果にこだわるリーダーという幹部を育てなければ、会社を大きくすることはできません。そのためにもうしばらくリーダーたちとの我慢比べを続けます。リーダー力とは能力の問題ではなく、意識の問題なのだから。

●高橋がなりTwitter⇒ http://twitter.com/ganari_t

●配信元:国立ファーム

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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