第15回 営業を他人まかせにしていませんか!?

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国立ファームが初めて生産した新顔野菜「ソルトリーフ」を飲食店へ卸すための営業部隊(今年の新卒5人組)が、毎日飛び込み営業先に叱られて帰って来ています。ありがたいことです。飛び込みで野菜を売りに来るのに野菜のことをロクに分からないワカゾウを、他人様が鍛えてくださるのですから。

叱られる要因のワースト3は、3位―新顔野菜なのに基本レシピの提案や成分表示がない。2位―ソルトリーフが商品として安定していない(味・見た目にむらがある)。1位―生産量が安定していない(月によって生産量が極端に少なくなってしまう)。ご指摘いただけば当たり前のことなんですが、僕たち素人を相手にしてくれて、当たり前の事を叱って頂いていることを本当にありがたいと思っています。

もともとは飲食店への営業は考えていませんで、大卸さんや中卸さんへ営業をして簡単に売り捌いてしまう予定でした。楽をしようとすると痛い目に遭うのが世の常で、結果は散々でした。先行する類似野菜があまり良い販売実績を出していなかったのです。

決して野菜そのものの評価が低い訳ではないと思っています。新しくて見た目が面白い新顔野菜として多くのマスコミで紹介されたものの、まだまだマイナーメジャーの世界で、一般的には認知度が低く、レシピも開発されていないために需要が喚起されていなかったのです。結果、当初の良い評判を元に生産量を増大させたのに対して需要が急激には増えず、卸価格が下落している状態でした。卸業者さんからは「一過性の商品で日本には根付かないだろう」とまで言われてしまいました。

しかし、1年以上も自社のレストランと八百屋で先行他社類似野菜を販売してマーケティングしてきた僕の評価は違います。お客様に試食していただき販売してきたこの野菜はサラダ用の野菜としてキチッと多くのリピーターを獲得しています。さらには自社の看板野菜の一つとして集客に欠かせない商品になっているのです。

ここで僕は農業界の問題点を発見し、チャンス到来を感じました。流通業者の本来の業務は需要と供給の間で負荷なくモノと情報を流すことです。市場の卸業者さんは需要があって初めて仕事が始まるのです。営業は流通の業務ではありません、需要の喚起はメーカーの業務なのです。流通に販促を協力していただくことは大切なメーカーの能力ですが、主体はあくまでもメーカーであるべきなのです。なのに農業生産者はこの重要な業務を既存の勝手知ったる流通業者に期待してしまうのです。

そこで国立ファームは自社商品を消費者にまで自社で宣伝・営業する農産物メーカーになることの重要性に気付きました。自社で営業することによるメリットは多々あります。お客様に直接ご指導いただけることの次に重要なのが、一度信用いただけると他の商品にもご興味をいただけることです。実際にソルトリーフの取引から自社の扱う特選野菜の取引にまで広がっています。物量のない今は、自社便で配達していますが、飲食店で評判を高めてから一般市場流通に広めて行く営業が確実な販売方法なのではないでしょうか。

農業界はこの「メーカー」という言葉を「生産者」と置き換えることで、農業生産者の自立を妨げてきたのではないでしょうか。経営が出来る生産者は自己責任でリスクある「ものづくり」という営利活動を通して利益を求める生販一体のメーカーになるべきです。経営や販売の苦手な個人農家は、生産者の都合ではなく浪費者の都合をパートナーであるメーカーから指導されることで、生産者の付加価値を上げ、経済的評価を上げることができるようになるべきです。

2008年7月号より転載

農業経営者2008年07月号

※この記事は『農業経営者』様より許可を頂き、
発売から1ヶ月経過した後に掲載しております。
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この記事へのコメント

  1. はじめてコメントさせて頂きました。

    国立ファーム時折拝見させて頂いております。
    毎日見る事もあります。
    なんでかと言いますと私も今年の春より
    農業に挑戦しようと思い現在取り組んでいるところで
    何か吸収できる事はないかと・・

    農業には改革が必要だと私も思っています。
    国立ファーム応援しています。

  2. たけのこ、フキ、山菜、etc・・収穫時以外は手間と金がかからず、美味で収量の多い作物は多い。季節感をあらわす南天、もみじ等も収穫可能。葉っぱビジネスも可能。

  3. 興味深く拝読いたしました。

    「 経営者の器量以上に組織も事業も発展しない 」

    ということですね。
    消費者から見れば、数多の類似業者の一つ。
    今後の展開を注視しています。

  4. 世の中には、「歯の無いワニ」だとかを捜させて実際見つけてしまう人も居る。
    .
    農家の中でも「高齢」ゆえ体が楽で早く収穫できるのが無いか捜し続け、
    山菜の「ワラビ」をほぼ放置の状態で栽培・収穫してる人も居る。
    八十を越え、「ヨモギ」を刈って煮てアク出しし、まんじゅう屋に卸してる人も居る。
    山椒や杜仲の木の葉など、
    一見すると高級品だが、実は作ってる人が少ないという理由や、
    他県~海外への輸出競争力が有るために、高値で売れる例もある。
    .
    二千万ずつ赤字となれば、活動は今年~来年一杯で終了という事なのだろうか。とはいえトマト一個600円に設定して撤退した某社の二の舞は踏めない。
    しかし、一旦安値にしてしまうと、値上げするのにスゴイ抵抗が有るのも事実である。もっとも野菜なんてのは毎年の値段の乱高下が有るものだが。

  5. 現金は金の延棒(三菱)にして、保管した方がインフレに強い。

    インフレで稼ぐのが、本当に賢いビジネスマンだと思う。

    いま、時給で働いてる 愚かな日本人 は必ずいる。

    インフレで一気に稼ぐ!

    そんなワクワクドキドキする世の中なのに、勿体無い。

    貧乏のまま死んではいけない。

    親が魂が悲しむよ。

                          太陽 迎 よつば

  6. 小林氏、高橋氏には、見えているのだろう・・大きな成果が。
    無論、全貌を明かす愚行はしない。

  7. いよいよ宅配ボックスが始まった。
    システム整備が終わり満を辞しての事だろう。
    飛躍の時を迎えようという訳だ。
    社長の言う「楽しませる工夫」が、
    野菜という平凡な商品に、どれだけ盛り込めるのか腕の見せ所だろう。

    ・・それと・・
    ふと気付いたのだが、ここのブログやH.Pには、
    アンケートサイトがくっついてない。

    個人のブログでも、
    「5個以内なら無料アンケート」というシステムが有る時代にだ。
    果たして、情報戦で勝ち残れるのだろうか ?

  8. っとマジメな話、  聞いてください。 年利20%で2年返済の元金23万を借りて商売を始めようと思っています。 計算で言うと月々1万6千〈×23ヶ月〉の支払いで返していく計算です。 自分は今まで散々職を変えて現在まで人の下で働いてきましたが、 実際に尊敬できる経営者は一人もいませんでした、。 もちろんすごい腕の立つ上司や能力は僕より数段上の経験者たちに囲まれて僕は肩身の狭い思いもしてきました。 -- 前置きが長くなりましたがぶっちゃけ独立するつもりです。 リスク・・・ 今の自分にとったら大きいですッ、。 すべての用意が整って後はお金を引っ張ってくるだけの状態です。 事業自体は企画もできて、準備も万全です、、 費用も考えられる限り省きました。 これでダメなら俺は今後、自分で商売なんか考えれねぇだろうと思っています。 ただ、 最後になにか踏み切る勇気がありません。 ここで辞めたり中止にしたりしたら俺は負け犬ですか?
     それとも事業を始めて失敗することが負け犬でしょうか? 

  9. Masaさん

    23万円を高利で借りないと資金がない時点で負け犬です。

    今までの実績や信用があれば簡単に無利子で借りられる金額です。

    商売は企画じゃありません。経営者の実力と努力の継続と運で決まります。

    実力は一緒に仕事をしたことのある他人様が評価するものです。

    それを薄々知っているのに認めたくないので、迷っているのです。

    止めといた方が良いと思いますよ。

                              高橋がなり

  10. いや、もうやった方がいいよ!

    ウダウダ言わずに、さっさとやってさっさと潰れた方がいい。

    そしたら、嫌でも気付き認めざるを得ないだろう。

    己の非力さと無能さを。

    その方がいいから、今すぐやりなさい(^^)

  11. >第11回
    一見矛盾があるように思えますが、日本の食料自給率を上げるためには、
    海外にどんどん日本の農産物を売り込むことが有効だと僕は考えています。

    >第13回
    農業は国民の食料を確保するという大切な役目を担っています。
    しかし現在の日本は生きるために食べる時代ではありません。
    農業も消費者を楽しませる工夫をすることが、農業に注目を集め、
    農業の未来を明るくする一つの方法ではないかと考えています。

    – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –


    この点について色々と研究・努力してる企業は多い。
    そこに思いを馳せる事は、決して無駄では無いだろう。

    JA組織は、「水道哲学」という訳でもないが、
    安価な作物を集荷し、国民に提供する役割を担ってきた。

    最近の企業の農業参入も、植物プラント工場の例など、
    コスト管理に優れ、地物よりも安価で、
    減農薬、栄養価まで優れた値で出荷している。


  12. 農業系の雑誌・新聞からは、
    「魅力有る商品作り」についてのヒントを学ぶ事ができよう。

     JAや生協からは、
    安価に集荷し提供する術を学ぶ事ができよう。

     植物工場や大産地農家からは、
    安価に確実にコスト管理する術を学ぶ事ができよう。

    今までは、作物を安く提供しすぎて、
    作り手を疲弊させ過ぎる結果ともなってたが、
    それを是正する事は大事となってくるだろう。

  13. コメントできない…….文章が多すぎたのか? あっ、コメントどうも、
    一度自分の無力さをひしひしと感じてみます……実はもうはじめちゃいました!はじまってましたッ! 一番良心的だったのが法廷年利ギリギリの18%の消費者金融だったのがなさけないですが〈マジでッ!!〉……お金は今はつくれませんが、実はそれくらいなら返済のめどはあります….。 問題は事業と言うのは法的な保障、違法ではないことが労働基準監督所で証明はされましたが、客がこねぇと言うのが一番の難題です、、 予想はしてました。費用と経費はそれを予想して最低赤字でも2~3ヶ月は持つように仕組んでます、。 まあ、働くだけならコネは多いので,,, 自分の弱点を意識し、事業が成長するように最善を尽くします。 やってみなけりゃわからないこともあると思うので、、 とりあえず、農業とはまったくアレなんですが….

  14. アホとつるまなくても良い方法がある!
    それは、己のやれる事をやれる範囲で仕事にする方法だ。

    能力がある人物ならば、それで十分な成果と利益を確保できる。
    だから、アホとつるむ必要などない。

  15. 僕は、わりかし金持ちなので金を世間に少しでも流出させようと毎日外食しまくってますが、「しょうもない飯屋」が多くてげんなりしています。
    あいつらは、何が楽しくてあんなにしょうもない料理を出しているのでしょうか?
    がなりさんへ。

  16. 圧倒的カリスマで社員洗脳教育!

    我は、良いと思います。

    誰もが教育に悩む。

    何故ならば、他人のことなんか本当は本当にマジでどうでもいいことだからだ。

    お前の人生なんぞ、知らん。

    それが本音であり、真実だからだ。

    がなりしにしてもそれは同じだ!

  17. 1.やりたい事を仕事にしてはいけない

    2.すべての仕事は偽善である

    3.本質をいえば、残り50年しかない

    4.絶望的現実から目を逸らすな

    5.会社を創るより、子供を創れ

    6.お金に変わる価値観を見つけても、世の中の9割はついて来れない

    7.人間として生まれた事を後悔するな

    8.人間として生まれた恥を忘れるな

    9.明日に希望を見出す努力を怠るな

                          「作・迎太陽」

  18. ピンバック: Horse rescue premarin.
  19. 話されていることがすごく真っ当で、共感しました。
    現在の市場の搾取構造を鋭く見抜いた経営戦略を取られていると思います。

    トラックバック貼らさせて頂きます。
    今後もちょくちょくお邪魔させて頂きます。

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