『漢方米』誕生物語  ~第四回 売り切る。それが来年作付けするためには必須。~

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2009年10月3日、山形ガールズ農場で、漢方米の収穫が行われた。
4月の種撒きから始まって約半年。
漢方農法でお米の栽培が初めてだった菜穂子には、途中不安もあった。
慣行栽培に比べ、初期生育が遅いと師匠古川さんから事前に伺っていたが、8月になっても慣行農法の半分くらいの稲の細さ。土の色が、稲の緑よりも多く見える田んぼは心許なかった。

収量は予測通りにいくか?味の良いものになるだろうか?

そして10月を迎え、黄金色に輝く稲穂が、こうべを一方向に重たげに垂らした風景が一面に広がっていた。初年度の漢方米栽培の成功が、田んぼいっぱいに表現されていた瞬間だった。

早速、ガールズ農場の3人は、「杭がけ」と呼ばれる天日干しの準備を始めた。
菜穂子は、家族用に、3アール規模でお米の天日干しをした経験はあったが、
今年はその20倍の60アールに挑戦した。


天日干し用の杭は、太さ約10cm、長さ3mにも及ぶ。
乾燥し、土が硬くなっている田んぼに器具を使って、直径8cmほどの穴を開け、そこに杭を垂直に立て、素手で50cmほど土の中に差し込んでいく。
その作業に菜穂子は挑戦したが、普段の農作業を難なくこなしている菜穂子でさえも力が足りなく断念した。
そこで、杭立てだけは、菜穂子の父と、ガールズ農場をたまたま取材で訪れていた男性にお願いした。
立てた杭の数は、約80本。
作業を手伝ってくれた30代前半の男性が、「今までの人生で、一番体力的にキツかった。」とコメントしていることからも、どれほどの重労働であるかが伝わってくる。


「杭がけ」は、まっすぐに立てた杭に稲束を、円を描くように掛けながら積み重ねていく。杭にかかる稲穂の重量は、100kgちかくに及ぶ。
また、ガールズ農場の田んぼがある山形県村山市と河北町は、乾いた風がよく吹く場所。だから、倒れないように太い杭をしっかりと土に埋め込んで固定する必要がある。
地域によっては、太さが半分の約5cmの杭で「杭がけ」を行うところもある。
伝統的な手法は、その土地の風土に合わせて改良されていく。
そう考え、菜穂子はその地域でよく行われている「杭がけ」の慣習に倣った。

「杭がけ」は、10日ほど乾燥させた後で、掛けかえを行う。
杭を田んぼに一本多く立てておき、一つずつズラしながら一本一本掛けかえていく。掛けかえを行うことで、稲穂が乾き、続いて茎部分がまんべんなく乾く。
「杭がけ」は、自然の風と日光でゆっくりと時間をかけて乾燥させていくことができる。
時間をかけて乾燥することで、稲茎に残された「旨み成分」はお米一粒一粒に降りて凝縮されると言われている。

しかし、天日干し作業は通常、コンバインを使うと2時間で終わるところ、
3人で丸4日かかった。
天日干しは効率が悪いうえ、約3週間かかって乾燥させていく間、雨や台風など気候の影響を受けてお米がうまく乾燥されず、カビてしまうなどのリスクを伴う。
そのため、今ではほとんどの農家がやめ、コンバインと機械乾燥機を使っている。

今年も例外ではなかった。
天日干しも後半にさしかかった10月8日、山形に強風や大雨警報を出した台風18号により、約80本の杭がけのうち、5本が倒れた。

被害は思った以上に大きくなく、ほとんどなかった。これは、その地域の慣習に倣って太い杭をしっかりと土に埋め込んで、固定する方法を、菜穂子が選択したことが吉と出たからだ。

天日干し後、脱穀・籾摺り作業へと移り、最終的には10アールあたり約6俵を収穫することができた。師匠古川さんがおっしゃるには、食味を落とさず採れる最大収量は10アールあたり約7俵ということなので、初年度にしては上々の出来高だった。
早速、ガールズ農場メンバー3人で、感謝の気持ちを伝えるために収穫したての漢方米を古川さんに届けに行った。
古川さんは、ガールズ農場の漢方米を食してこうおっしゃった。
「初年度でこの味はすごい。収穫量も心配だったが、予想どおりに収穫できて良かった。本当は、7俵採らせてあげたかったんだけど・・・。」

ガールズ農場メンバーにとって、師匠に認めてもらえる味に仕上がったことは何よりも嬉しかった。
教えていただいた師匠に、習ったお米を食してもらい、その味覚で感謝する。
その風景は、農業というものづくりの師弟関係だからこその、感謝の方法。
そこには、本気でものづくりに取り組む人たちの美学がある。

菜穂子は、漢方米の栽培を振り返って、こう発言している。
「不安よりも、新しいことに挑戦する楽しさがあった。出来たお米は、これまで育てたお米の中で、一番美味しかった。手間と費用がかかる農法だが、農薬を浴びないのは、女性が長く続けていけるポイントになる。実際に、漢方ミストを田んぼに撒いているときは気持ちが良かった。今は、今年以上に来年作付けができるように、売り切る(販売)ことを第一に考えている。売り切らなければ来年の作付けはない。作ったもので利益を得ていく。それが理想の農業を続けていく上で必須だから。」


経営者ならではの発想で、売り切るまでが農家の責任と考えている菜穂子は、
まだまだ安堵していない。

・・
ガールズ農場の漢方米、いよいよ11月15日から農家の台所全店で
発売を開始します!


漢方米   2合(300g) 480円(税込)

販売店の情報は随時、アップしていきます。
さて、ガールズ農場が来年、漢方米の作付けができるかどうかの命運を分ける販売に、ガールズ農場と国立ファーム、総力を挙げて取り組んでいきます!
乞うご期待!

(文責:広報課 熊田)

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この記事へのコメント

  1. 自然乾燥の天日干しは天候のリスクが有りますよね
    安定的にそして速くするには、温室による乾燥とかどうでしょう?
    温室の中は温度が高いため、そして雨の影響が減ります
    簡易温室にて乾燥するのも効率的だと思います

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