「みらい」の苗を植えました!~福島に味来を植えに行こうツアー報告~

東日本大震災発生から85日目の平成23年6月4日(土)。福島の篤農家応援ツアー“福島に味来を植えに行こう!”が晴天の下、無事にとり行われました。

朝7時、東京から大型バス2台が出発し、午前11時半到着。福島県岩瀬郡天栄村の水田に地元農家22名を含め、ナント総勢110名が結集しました!

開会式。「放射能を恐れぬ皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。」弊社代表の高橋の挨拶の第一声に、会場には笑いが起きました。続けて、この企画の意図をこう話しました。「強い農家を応援したい、人と違ういいものをつくる人たちが評価される農業をつくるために国立ファームをつくりました。福島にも強い農家がいます。自分の今ある環境を嘆かず、やれることをやっていくんだという同情されたくない強い農家です。だから、そんな強い農家を応援するために、今日1日農作業を邪魔してやろうと思っています。好き放題勝手にふるまってください!それが最大の応援になりますから!」

次に、地元農家の代表2名が挨拶。震災と原発の事故を前にして、野菜作りへかける情熱を、次のように語りました。
篤農家・古川勝幸さん。農薬や化学肥料の代わりに、人間が食べられる漢方薬を用いて育てる「漢方未来米」を生産し、2004年から5年連続で米の食味コンクールで金賞を受賞し殿堂入りを果たした方。
「強いフリをして、他の農家の見本にならなければという使命感を持っています。今まで何十年もかかってやっと米を買って頂けるようになり、少し生活ができるようになった時にこの騒ぎが起きました。放射能が騒がれる中で、これだけ集まってくださってありがとうございます。涙が出るほど嬉しいです」

篤農家・鈴木光一さん。新品種・珍品種の栽培に次々と挑戦し、その数は年間200品種にものぼる。著書『売れる・おいしい・つくりやすい野菜品種の選び方』では44品目365品種の野菜を紹介しています。
「セシウムが土に残ってしまうことが問題です。我々はプロの百姓なので何としてもセシウムとの戦いに勝つためにいろいろな工夫をしています。改良材、ひまわり、菜の花を植えて、きれいな農場を目指しています。いままで以上に福島が注目されているからこそ、よりよいものをつくって届けるようにしたい」
放射能問題に直面している農家からの力強い言葉に、会場の全員が真剣に耳を傾けていました。
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田植えの前に、まずは腹ごしらえ。バーベキューです!
内容はこちら。
1.地元農家が持ち寄った野菜(たまねぎ、きゃべつ、にんじん、スナップエンドウ、椎茸)と岩手短角牛肉のBBQ。農家自らが焼き、振る舞いました。
2.(有)ハッピーファーム安田潤一さん自作のなめこ汁。

3.漢方未来米のご飯。

4.野菜販売も。

お腹を満たし、いよいよ漢方未来米の田植え。
漢方無農薬研究会の森文男氏よりポイントを教えてもらい、水田の周りに1列に並んで一斉に田植えが開始されました。

思うように前に進めず手植えの大変さを体感したり、「田んぼ気持ちいい~」と叫んだり、あわやどろんこになりそうなこんな瞬間も。

山形ガールズ農場のガールズたちも前日から、米作りの師匠は古川勝幸さんの田植えの手伝いに来ていました。ガールズたちは、常用田植機を使った紙マルチ(※)はり&田植えを実演してみせました。※紙マルチとは雑草を生えないようにするために畑や田んぼに敷くシートで、自然分解される、環境にも優しい資材です。

子供たちは、沢ガニ、オタマジャクシ、どじょう捕りもし、ご満悦のご様子。

サプライズでヤギも2匹連れてきてくれていました。

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その後は場所を移動し、郡山市内の鈴木光一さんの畑で、トウモロコシ「味来」の苗の定植へ。10アールほどの広さの区画に、3000本の「味来」の苗を植えます。

鈴木光一さんは直売所経営のカリスマでもあり、これからのトウモロコシの販売方法についても聞くことができました。1つの苗から1本の大きな実をとる“1本どり”が基本のトウモロコシ栽培。鈴木さんがこれから狙うのは“2本どり”。多少実は小さくはなるものの、1本目を収穫した後に2本目を幹ごと刈り取って、幹ごとお客様の手元に届くようにすれば、お客様に自分で収穫していただくことができます。というのも、トウモロコシは採ってから5~6時間が最高の糖度で、24時間後には半減してしまうと言われるくらい、鮮度が味に大きく影響する野菜。採りたての甘味は格別なのです。野菜へのこだわりをお客様に届けたいという、鈴木さんの思いの伝わる販売方法でした。

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帰路のバスの中、参加者からはこのような感想をいただきました。
「とても楽しかった。次は、稲刈り&とうもろこし収穫でまたきたい」
「福島の農家と話ができてよかった」「朝昼晩とお腹がいっぱい。」
「慌ただしかったので、もう少しゆっくりしたかった」
「田植えをもっとしたかった」
「次は友達を誘ってきたい」
参加者の田植え風景を鈴木光一氏と古川勝之氏が嬉しそうに眺めていた姿が目に焼き付いています。滞在時間5時間の中で2か所の畑を回るというタイトなスケジュール。運営側の反省点はあったものの、郡山の生産者を応援して元気づけてくるという目的を果たすことができました。

最後に、生産者からのメッセージをお伝えします。「想像を超えるたくさんの方々に来ていただき、元気を分けていただきました。これから先もお客様へ安心で美味しい生産物を届けるため、また、今まで以上の野菜をつくるため、目の前にあるやるべきことをひとつひとつ積み重ねていきます。来ていただき、ありがとうございました」

*あとがき*
ご存知の通り、開催地である福島県郡山市は、今もなお原発事故の影響による高い放射線量が危惧されている地域です。
この地に乗り込んで田植えとトウモロコシ苗の定植をしよう、参加者は一般から募り、大型バスで日帰りツアー…という、傍目には無謀とも思えたであろう今回の企画ですが、ふたを開けてみれば、応募者100名という大規模なイベントへと発展していました。
(心配されていた放射線量は、現地の測定数値を当時の国の基準に基づき「安全である」と判断し、応募受付時に告知しました。【田んぼ土壌 0.8μSv/h(5月上旬計測)、畑空間線量 0.41μSv/h(5/20計測)】)

参加者は東京・福島・茨城から下は2歳から上は68歳まで、幅広い層の方々が集まりました。ここに、様々な参加目的の一部を紹介します。
20代女性(東京都):「日本の農業に頑張って欲しいから」
30代女性(東京都):「東北に知人がいないため、募金や物資の支援以外で何か出来ないか。参加することで楽しみながら支援が出来るのでは」
20代男性(福島県):「自分が生まれ育った土地を元気に出来ればと思い参加した。復興はあくまで自分達が主としてやるべきと考えている」
30代男性(茨城県):「福島の現状を確認したい」

メディアでは憶測や伝聞を含む情報が氾濫し、信じるべき国の基準さえも疑われる中、自らの意志で参加を決めた方々が集まったと言えるでしょう。
日本の未来を守りたい。復興に向けて動きたい。実際に行動することによって、その意志を示してくださった方々に、農家も私たちも、強く勇気づけられたのは言うまでもありません。
今回の企画にご賛同いただいたすべての皆様に、この場を借りて感謝の意を表させていただきます。ありがとうございました。いつか復興を遂げた福島で、皆様と共に「未来」を収穫できる日を心待ちにしております。

福島へ味来を植えに行こう!運営スタッフ一同

●配信元:国立ファーム

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