1アール運動進化を遂げる!                                                                                                                                                                                     ~今朝採り野菜を朝9時に都心のお店に並べたい~

早朝3時に、オレンジ色の国立ファームTシャツを着た社員が数名、農家さんの畑に突入する。
目的は、野菜の収穫だ。

実は、この取り組みは1アール運動から始まったもの。
1年前、多摩地区の農家さんに1アール運動の説明をしているときに、商品部松尾は、すでにこの今朝採り構想を描いていた。

そもそも1アール運動を始めたのは、「朝採り野菜を、都心へその日のうちに出荷したい」という思いからだった。
東京で農業をする最大のメリットは、朝採りの鮮度抜群野菜を、都心のお客様にお届けできること。しかし、この取り組みを実現するためには、農家さんとの信頼関係が必須だった。

かつて、野菜の鮮度ブームが起きたとき、他社ではすでに東京野菜の朝採りが行われていた。
流通側から農家さんに早朝4時からの朝採り指示がなされ、農家さんは早朝、収穫を行った。
しかし、流通側の都合で、売れるからと急に何倍もの量の発注がきたり、逆に急にいらないと言われたりと振り回された。
また、早朝、収穫時の騒音が近隣への迷惑になるなどの問題もあった。
そして、農家さんの間で、朝採りはやりたくないという思いが広がっていったという。

国立ファームでは、この問題をどうクリアしていくか?
最大の課題は、何よりも朝採りに対して、マイナスイメージを抱いている農家さんに、協力していただけるようにどう信頼関係を築いていくかだった。

そこで、松尾は考えた。まずは国立ファームが提案する新品種の野菜を農家さんに1アールで栽培していただき、その過程で新しいことに挑戦する楽しさや、付加価値のある野菜は高く売れるなどの新たな価値に気付いてもらう。そうして、農家さんとの信頼関係を築いてから、朝採りに挑戦していただけるように農家さんの気持ちをもっていこう。

1アール運動の取り組みを始めた一年前から、松尾は何度も農家さんを訪問し、一緒に作業をした。また、実際に野菜を使用している「農家の台所」スタッフが、農家研修というカタチで訪問した際に、お客様の声を伝えることができ、国立ファームとの信頼関係が厚くなっていった。

そして、今年の4月。
都心のスーパーのイベント企画で朝採り野菜を並べてみたところ、売上はもちろん、イベント後に「朝採り野菜はもう置いてないの?」と、お店に問合せが複数あるほど、お客様に大好評だった。
朝採りの需要があると確信し、東京都立川市、東久留米市の3軒の農家さんで、5月から毎朝収穫が本格的にスタートした。

このとき、朝採りを実現させるため、松尾は農家さんにとってのメリットを考えた。
まず一つは、農家さんが収穫作業をしなくて良いというメリット。
早朝収穫は重労働。そこで、国立ファーム社員が農家さんに代わって収穫作業をやることで、農家さんが収穫にかける時間と労力をなくすことができる。
もちろん、このとき近隣の方にご迷惑をかけないよう、国立ファーム社員は全員、オレンジ色の国立ファームTシャツを着用し、事前に近隣の方・地元の警察にご挨拶をした。そして、騒音を立てないように細心の注意を払っている。
二つ目は、農家さんが負担していた出荷用段ボール費用をゼロにすること。
市場出荷する際、通常は野菜を段ボールへ詰めて納品する。
例えば、ほうれん草の場合、1束100円で出荷すると、20束を一つの段ボールへ詰めて2,000円の売上となる。
しかし、実は段ボール代が1箱100円前後かかっている。
段ボール代が売上の約5%も占めているのだ。
国立ファームでは、自社の通い箱に野菜を詰め、お店に自社トラックで納品するため、この段ボール代を農家さんが負担しなくて済む。
そして、三つ目は、市場出荷時に負担する、売上の8.5%かかる委託手数料(※)を払わなくて済むというメリット。
国立ファームと直接取引をするため、手数料はかからないうえ、市場に出荷へ行く費用・労力を一切かけなくて済む。

現在は、社員が収穫作業を行っているため、人件費を考えると、もちろん収益のあるプロジェクトとは言い難い。
例えば、今まさに朝採りしているトウモロコシは、茎付という付加価値をつけて収穫しているため、通常の収穫時間の倍を要する。
しかし、今はまず朝採りを実現し、その付加価値をお客様にどこまで評価してもらえるかを試みている段階。コストをおさえる努力からではなく、まず売る努力からだ。そういった点では、実際に店頭に立って語り部として売り子になる国立ファーム社員にとって、朝採りを自ら体験できることは大きい。その鮮度の良さや味の違いを自信を持って語れるのだ。

「DO SEE PLAN ~まずやってみる。そして振り返り、計画する」これが国立ファームの方法論。
売る努力をしながら、品目ごとの適正収穫量や人件費、包材などの出荷形態を見出し、仕入れ値・卸値を算出していく。

5月からの朝採り本格スタートで、朝採りのメリットを実感した農家さんが、近隣の農家さんを国立ファームに紹介してくださった。開始たった一カ月で、口コミと紹介で新たに2軒の朝採り準備が進んでいる。

松尾は、今後、この取り組みが増え、東京都多摩地区といえば、“朝採り野菜”と言われるような日が来ることを見据えている。

実を結び始めた1アール運動。
今後の更なる躍進を乞うご期待!

※2009年4月1日から改正卸売市場法の成立で、委託手数料は自由化されたが、現在でも慣習により、野菜8.5%が一般的となっている。

(文責:広報課 熊田)

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